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第14話

どれくらい時間が経ったのか、ずいぶん長いように感じたが多分そんなに経ってはいない。廉に散々扱かれて、精気も魂も抜けたようで口をきく気力もない。茫然とソファーに寝ている横で、廉がこちらに背中を向けて床に座り込み、自分のカバンをゴソゴソと探っていた。 廉はカバンからなにかを取り出すと、くるりと振り向いた。頭が混乱したままとろんと廉を見やると、スイと手を伸ばしてなだめるように指の背で頬を撫でてくれた。撫でられるままにしばらく目を閉じていたが、廉が身をかがめてくる気配を感じた次の瞬間、唇を塞がれた。 ボーッとしたまま半ば無意識に開いた口の中を舌でかき回しながら、何かヌルヌルするものを塗った手を尻の方に突っ込んできた。 「ん?」 「大丈夫、力を抜いて」 廉はそう言ったが、奴が触っているところは股間のモノと違って、自分自身ですら直接触ったことの無いところだ。廉の指がそんな場所を解すように、ゆっくりと揉み始めた。 廉を家に呼び、こういう事をしてもいいという決心をしたとき、それなりに調べた。男同士がどこをどうしてどうなるのか、初めて知った時には受け入れ難いと思ったが、廉のために出来るところまでやってみようと決めた。…決めたのだが、さすがに受けにまわる事は考えていなかった。 「待てっっ!」 ぼんやりしていた頭をハッと覚醒させ、慌てて身体を起こすと尻から廉の手を抜いて、奴の胸ぐらを掴んだのだ。

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