何でなんだ……何でなんだと、ぐるぐると同じ事で占められていく佑月の脳内。 　いっそのこと、薬のせいに出来たらもっと楽なのにとさえ思うほどだ。 　それとも須藤の言う通り、この男を受け入れたら答えは分かるのだろうか。 「あ……もう……やめ……」 　じっくりとほぐすように、入念に舌を使われている上に、前も扱かれて頭の中がぐちゃぐちゃになる。 　嫌悪感はなくても羞恥心はある。 　こんなあられもない格好で、人には絶対に見せたくない場所を晒して、挙げ句に舐められているのだから、恥ずかしくない方がおかしい。耳を覆いたくなる水音にもおかしくなりそうだった。 「あ……ちょ……」 　無理やり狭いところに捩じ込まれる違和感に、慌てて佑月は身体を起こした。 「痛かったか？」 「え……？　あ、いえ……。じゃなくて、やっぱり無理だって」 「力をもっと抜け」 「う……あぁ」 　グッと奥に差し込まれる指。薬を使われていた時と違って、その質量がダイレクトに伝わり、キツくて気持ち悪い。 「抜いて……須藤さん。抜いてくれよ」 「直ぐに良くなる」 「そんなのいいから……早く抜いて……やっぱり嫌なんだよ。こんなの……」 　佑月は懇願の目を向けて訴えた。 　この先を許してしまうのが怖かった。もう二度と後戻りが出来ないよう、路を断たれてしまう気がして怖かったのだ。 「そんな顔で言われてもな」 「なにが……ちょ、やめ……」 　須藤は指を抜くどころか、ゆっくりと抽挿し始める。 「お前のその顔は情欲を掻き立てるだけだ」 「知らないってそんなの……やめろって言って──んん」 　空いてる片方の手で佑月の頭を引き寄せると、須藤は直ぐにキスをしてきた。 「心配するな」 「え……？」 　須藤は佑月の顔中に優しいキスの雨を降らしてから、その唇を上半身へと滑らせていく。 「最後まではやらない」 「は……ぅ」 　舌先で軽く胸の頂を舐められただけなのに、情けないことに声を上げてしまう。 　それに煽られたように、須藤は胸と後ろへの愛撫を入念に責めてくるようになった。 「あ……最後まで……やらないって……ぁ」 「嫌なんだろ？」 「……う、うん」 「なら、今日は無理にしないから、そう怯えるな」 　須藤は優しく囁き掛けるように、佑月の耳元に唇を寄せてきた。 　だけど佑月は気付いていた。いや、須藤自身が〝それ〟を教えてきていたのか。グリグリと押し付けられていた須藤の下半身。 　その体格に見合う程の立派な……いや、立派過ぎる雄を主張されていたのだから。 　言葉だけではなくて、須藤の身体は佑月に欲情しているのだということを、まざまざと知らしめていた。 　だからと言って須藤と最後の一線を越えてしまうのは。女じゃあるまいし、セックスだって経験豊富とまでは言えないにしても、一応それなりにはしてきた。だから、何に操を立ててるのかと思う人間もいるかもしれない。 　だがやはり、男は流石に考えられない。特に今の佑月は気持ちが中途半端すぎて、到底無理な話であった。