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長い一夜 10
暫くして、須藤は前への扱きを再開させながら、佑月の中から雄を少し引き抜いた。そして、それをまた奥へ突く。
「くぁ……まだ……動かないで……」
「もう、大丈夫だ。固くなるな」
勝手なことを言って、ゆっくりとした抽挿を始められてしまい、佑月は襲う痛みに備えようと歯を食い縛った。
だが痛みを感じるどころか、前を扱かれていることもあって、佑月の鈴口からは先走りが溢れてくる。それが潤滑油の代わりとなって、須藤の動きが滑らかになっている。そのせいで水音も卑猥さを増す。
「はぁ……あぁ……」
「……佑月」
須藤の掠れた声。
佑月の手に指を絡め、須藤は熱い唇を貪るように重ねてきた。
「ん……ふ」
佑月への執着が良く分かるような長い長いキス。
「凄いな……絡みついてくる」
「あ……何が……?」
「ここがだ」
「あぅ!」
ズンと腰を打ち付けられ、そこからえもいわれぬ痺れが全身に流れた。
それから須藤の動きに容赦が無くなった。
「あ、あ、ぁ……須藤さ……激し……すぎ」
喋ると舌を噛みそうな程に揺さぶられる身体。餓えた猛獣を制御するのは、もう不可能だった。
「イヤだ……そこ……やめ……」
ある一点を集中的に責められ、佑月は涙を浮かべながら須藤の背中に縋りついた。
そこは前立腺だ。前も佑月はそこを責められ、初めて射精をしないでイクという経験をした。あの快感を、今度は須藤の凶器で高みへと確実に向かわせられていた。
「ヤバいな……。佑月……それ以上締め付けるな」
「ひぁ……や……」
余裕のない須藤の声が聞こえた気がしたが、答える程の余裕は佑月にもなかった。
──早くイッてくれ。でないと、壊れそうになる。
「須藤さん……すど……んん」
無意識に名を呼ぶ佑月。
須藤はそれに答えるように、キスをする。
お互いに余裕がないことを物語る荒い息。肉体が激しくぶつかり合う音に、粘着質な音。広い一室に響くそれらの音が、佑月たちの激しさを如実に表していた。
「あぁ……もう……イク……」
「いいぞ、イケ」
「う……あぁ!」
その言葉で、佑月の性器は須藤の手の中で弾け、意識も一瞬飛んだような感覚に陥った。
そしてほぼ同じタイミングで須藤の動きが止まり、中に熱いものが迸 るのを感じた。
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