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夏の終わりに 15

「ここを触られるのは、どうやら初めてのようだな。どうだ、気持ちいいか?」 「……わかん……ない……」  後孔と袋の間を擦られ、くすぐったいような気持ちいいような、良く分からないが佑月の身体はゾワゾワとする。 「だが、ここは溢れているな」  指先でつつかれる竿の先端。そこが濡れているのは佑月もよく分かっていた。  そして須藤は、裏筋を(くすぐ)るように舌を滑らせていく。 「あ……」  裏筋と袋を何度も何度も往復する舌。今までの口淫と違って、口に咥えることはなく、性器そのものをじっくりと味わうような舌使い。  そこに目を遣れば、佑月のモノとそれを舐め上げる須藤が否応なしに目に入る。  しかもいい所を責められれば、ふるりと震える己の性器。見ていられなくて佑月は慌てて目を逸らした。 「す、須藤さ……それ……エロいから……やめて……」 「何言ってる。エロいことをしてるんだ」 「そ、そうだけど……でも……エロ過ぎる……」  いつものような、何も考えられなくなるような深い快感ではなく、中途半端に煽られるため、意識がどうしてもそっちに行ってしまう。  それに須藤に触れられていることが、より敏感に感じてしまい蜜は溢れるばかり。しかも射精を目的としてないのか、イキそうになると、須藤は根元をギュッと握り込むのだ。 「あ……ぅ……な、なん……で……?」 「たっぷりと時間はあるんだ。お前をゆっくりと味わいたい」 「なに……言って……」  要するにイキたいのにイケない佑月を見て、楽しんでいるわけだ。妙なところで、変なドSっぷりを発揮しないでもらいたい。  もう何度目の絶頂を邪魔されているのか。 (イキたい……マジで。もう、頭がおかしくなりそうだ)  生理的な涙で視界が滲む。 「須藤……さん……」  須藤の髪に指を差し入れて、顔を少し持ち上げる。上目遣いになる須藤の目は〝なんだ?〟と訊いてくる。 「お願い……イキたい……イカせて……」  もう、恥じらってる余裕もない。必死の思いで訴えると、須藤の喉仏が上下するのが見えた。そして須藤は、佑月の男根を喉奥まですっぽりと咥え込んだ。 「あぁ……!」  待ちに待ったと言うのか、これからの快楽に期待していたはずの佑月のモノは……。 「あ……」  オーガズム。呆気なく達してしまったばかりでなく、もろに須藤の口内に出してしまった。  さすがの須藤も予想してなかったのか、少し()せている。 (……うわぁ、すみません) 「お前……早すぎるだろ」 「だって……こっちは散々止められてたし、我慢出来なかった……」 「まぁ、ちゃんとおねだり出来たのは良かったがな」 「……」  やはりそれが目的だったようだ。もはや佑月には抗議する気力もない。  そんな佑月の性器の残滓を舐めた須藤は、あろうことかそのまま佑月に唇を重ねてきた。  しかも、須藤は佑月の口内にそれを唾液と一緒に送り込んできたのだ。

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