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夏の終わりに 16

「んんー!」  佑月がおもいっきり須藤の身体を押すと、すんなりと離れてくれたが……。 「な、何するんですか! にが……うわ……最悪」  まさか自分の出したものを、口移しされるとは思ってもみなかった。 「こんなの無理して飲まない方がいいですよ……」  女性も積極的に飲む子がいるらしいが、決して美味しいとは言えないもの。それを健気に飲む女の子に喜ぶ男が大半と聞くが、今の佑月は味を知ったせいか、かなり複雑だった。 「正直俺も、こんなにすんなりと飲めるとは思ってなかったな」 「え……? ぁ……」  会話をしながらも須藤の指と唇は佑月の身体に触れ、休むことはしない。 「お前のだから、だろうな」 「……っ」  それはつまり、飲むのは佑月のものが初めてだってこと。今まで須藤が、男と寝ていたのかも正直分からないことだが、佑月のものだから飲めるなど。さっきまで複雑だと思っていたが、少しの優越感、そして嬉しいと思える感情が湧いてくるのを止められなかった。 「ん? 今ので感じたのか?」 「あ……ぁ……」  甘い甘い音色で囁きながら、須藤は佑月の竿を柔く握り、ゆっくりと扱いていく。  素直に身体を明け渡しているせいか、須藤の言葉や声だけでも感じてしまっている。そして指が後孔に触れると、無意識に身体がビクリと震えた。 「佑月、じっくりと解すから怖がるな」  その優しい声に、佑月はこくりと頷いて出来るだけ全身から力を抜いた。  須藤は言葉通りに長い長い時間をかけて、舌や指を使って念入りに解してくれている。時折、弱い箇所を掠められ、疼いてたまらない。 「ぁ……」  いつの間に下着を脱いでいたのか、須藤の使い込まれた、赤黒く猛々しい雄が目に入り、ゴクリと佑月は唾を飲んだ。 ──欲しい。  あの須藤の雄々しいモノで奥まで突いて欲しい。確実に指では物足りないと感じている。こんな風に思う時が来るなんて……。 「須藤……さん……」 「なんだ? 辛いか?」 「ちが……もう、いいから……。あんたもキツそうだし……」 「俺のことはいい。これじゃ、まだお前がキツい」 「く……あ……」  何本か入ってる指を、須藤は少しだけ中で広げた。確かに指だけでかなりの圧迫感だが、佑月は須藤に懇願の目を向けた。 「いいから……」 「駄目だ」 「いいって……」  少し身体を起こして、須藤の頬に触れる。 「早く……あんたが欲しい」  そう言った瞬間、何か須藤が「クソ」と呟くと同時に、脳天まで突き抜けるような衝撃が走った。 「ひ……ぁあ……!」  裂けたんじゃないのかと思う程の激痛に、呼吸が上手く出来ない。だけどその反面、しっかりと感じる須藤の熱い男根に悦びを感じている。 「馬鹿が……。簡単に崩しやがって……」  初めて聞くような須藤の少し余裕のない声。そしてゆっくりと雄は奥まで埋め込まれた。 「あぁ……」  こうやって須藤の理性を崩せるのは、自分だけであって欲しい。  それから須藤は宣言通り、獣なみに佑月を求め続けた。途中、何度意識を飛ばしたのかも分からない程に……。

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