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Relationship 5
「〝やめろ、ムリだ〟と言ってるが、お前のここからは沢山溢れてくるな」
「うるさ……ん……あぁ」
耳を覆いたくなるような卑猥な音。佑月から溢れた蜜で滑りが良くなるが、まるで半分は自慰行為のようで、恥ずかしいことこの上ない。
お互いの性器が密着しているだけでも、どうにかなってしまいそうなのに。
「ほら、もっとしっかり握れ」
「あぁっ……それ、やめて……」
先端の割れ目に、親指を捩じ込むようにグリグリとされる。敏感な部分だけあって、少しの刺激でもそこから電気が走る。もう自分を支えられなくなった佑月は、須藤へと倒れ込んだ。
「佑月、汚れるぞ」
「だって……」
須藤は佑月を引き剥がすように、ゆっくりと離していく。
「支えられないなら、シートに手を突くか、俺の肩でも持っておけ」
「うん……」
素直に頷いて肩を持つと、須藤は手の動きを速めた。
「ん……ふぅ……」
「おい、唇を噛むな」
「あふ……やめ……」
須藤はもう片方の手で、佑月の口に指を突っ込んできた。今更だが、真山が傍にいるこの空間で、みっともなく声を上げるのは、何とも言えない羞恥もあるし、後ろめたい気持ちにも苛まれるのだ。
「声を我慢するなといつも言ってるだろ」
「だって……真山さんがいるのに……」
「声は聞こえないのは知ってるだろ。第一、お前のいい声を他の人間には聞かせたくない」
「でも……ん……」
佑月の抗議をも飲み込むように唇を重ね、手は性急に煽り立ててくる。
もう時間がないのだろう。キスをしながらも、須藤の息遣いが変わっていくのが分かった。 須藤は佑月の呼吸を読んで、タイミングが合うように、手の動きを調整しているのが分かる。
「は……あ……須藤さん……もう……」
「あぁ……佑月、そこからティッシュを取れ」
言われた通りに佑月が首を捻ると、シートとの間にボックスがあり、そこにケースに入ったティッシュ箱があるのが見えた。
そこから遠慮なく何枚か取って、二人の上にそれをこぼさないようにギュッと被せた。
「イクぞ」
「う……うん……」
エキスパートをかけるように手の動きが速くなる。
「く……」
須藤の艶かしい吐息がこぼれた瞬間。
「あ……ぅ……!」
二人同時に弾けた。
ティッシュに染みていく二人分の白濁液。須藤は佑月の手からそれを奪うようにして、佑月の性器を綺麗に拭ってから窓を開けた。そして、それを事も無げに窓の外に投げ捨てている。
「ちょ……何してるんですか!?」
佑月は唖然と投げ捨てられた窓の外を見る。
「何って匂いが残るだろ」
「そんなことを言ってるんじゃないですよ……信じられない」
あんなティッシュの屑など誰も拾わないと思うが、気分的に居たたまれない。それに、ゴミを公道に捨てるのは以ての外だ。
「今度そんなことしたら、もう二度と外でこういう事しないから」
「……」
(また、だんまり……)
だが流された佑月も悪いため、あまり強くは言えない現実。反省も兼ねて、佑月はそれ以上は言わないようにした。
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