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Relationship 6

「いつも送って頂きありがとうございます。ご馳走さまでした。それでは、おやすみなさい」  あれから五分くらいでアパートに着いた。 「真山さん、ありがとうございます」  わざわざ降りて見送ってくれる真山にも、いつもと同じようにお礼を言って佑月は頭を下げる。 ──本当……いつも律儀な人だ。 「成海さん、お疲れ様です。おやすみなさいませ」  慇懃に頭を下げる真山に恐縮しながらも、佑月がアパートへ向かおうとした時、なぜか須藤が車から降りてくる。どうしたのかと思いながらも、佑月は須藤には構わず部屋へと向かう。 「真山。三十分で戻る」 「かしこまりました」  何故か佑月の元へと歩いてくる男。 「どうか……したんですか?」 「三十分しかない急ぐぞ」 「は? って、ちょっとちょっと!」  佑月の手首を掴んで、なぜだか須藤は部屋の前まで闊歩していく。 「早く開けろ」 「え? 何? 須藤さん、仕事でしょ?」  深夜のアパート。  日付は跨いでない時間とは言え、人通りも車通りもないから、小さな声でもよく響く。 「ちょっと茶を飲むだけだ」 「は、はぁ……」 (お茶……ねぇ)  首をかしげながらもアパートの鍵を開けて、須藤を中に入れる。  須藤が佑月の部屋に入るのは初めてだ。ちゃんと靴は脱いで、物珍しそうに部屋を見渡す男。違和感だらけだ。 「適当に座ってて下さい。コーヒーしかないですけど」 「そんなものいい」 「え? そんなものって……ッ!?」  やけに近くで声がすると思えば、須藤は佑月の背後に立っていたようで、そのまま抱きしめてきた。 「な、何? ちょっ……」  須藤の手は佑月の身体をまさぐり、右手はベルトを外して、スラックスの中へと入ってくる。 「っ……須藤さん、やめて下さい……。お茶飲むって言ったから……こんなことするなら早く戻って下さい」 「こんなこと? お前の身体を思って、週に一度と我慢してやってるというのに。お前を目の前にして我慢する身にもなってみろ」 「だからって……」  そう言われてみれば、確かに週に一度しか身体を重ねていないと思い至る。今日を逃したら、また一週間も待つことになると思っているのかもしれないが。 (まさか、それで夜に会うのは週一なのか?)  忙しい男だから時間を作れないということもあるだろうが、今の言葉を聞く限りでは、そう受け取れる。どうやら配慮してくれていたようだ。  だがここは須藤のバカ広いマンションとは違う。それに、さっきのあの車内での行為は一体何だったのか。急かされた上に恥ずかしい思いまでしたのに。 「見て分かる通り、ここの壁めちゃくちゃ薄いから……じゃなくて、そんなことより仕事大丈夫なん──っ」  話してる途中だと言うのに、佑月は顔を後ろに向けられ、須藤に口内を貪られる。  キスだけで佑月の身体が反応することをよく知っている須藤は、キスにじっくりと時間をかけてくる。 「さすがにここで声を我慢するなと言うのは酷だな。これでも咥えてろ」 「むぐ……」  いきなりハンカチらしき物を、佑月の口の中に突っ込んできた。おそらく須藤のもの。  佑月がハンカチを口から取ろうとすると、それを阻止されてしまう。   (まさか、本気でヤるのか?)

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