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Confinement 12

「お前の身体に一生残るような傷を付けたのは、俺だ。お前の心を傷付けたのも俺だ」 「何言ってるんですか。傷のことは、あの男が嫉妬で……」  そこで須藤の言わんとすることが分かった。自分のせいで、嫉妬のターゲットにされた佑月が傷をつけられた。それが須藤にとってどれだけの苦しみだったのか、今の言葉と須藤を見て、佑月は嫌でも分かることになった。 「だが、こんな目に遭わせておきながらも、悪いが俺はお前を手離すことは出来ない。絶対に」 「須藤さん……」  それは目眩がしそうなほどの至福の言葉だった。佑月は自分だけが傷付いた気でいた。須藤までもが傷付くなど、想像すらしてなかったのだ。何故なら、須藤にとって自分は所有物だとしか思っていなかったからだ。 (俺は……思ってたよりもずっと……ずっと、須藤に大事にされていたんだ)  それが今になって、ようやく分かった。  佑月は自分から逸らされていく目が嫌で、ソファから勢いよく腰を上げて須藤の前に立った。そんな佑月の行動に少し驚いたように、須藤は佑月へと視線を戻した。 「別に女じゃないんだから、傷の一つや二つ大したことじゃないよ。それに、須藤さんはいつも俺を助けてくれてたでしょ? どん底に落ちそうになっても、そこから救い出してくれたのはあんただったんだし。だから、あんたがどんなに薄汚れた世界にいても、俺にとっては何者にも代え難い男だってことを忘れないでください」  恋は盲目とはよく言ったものだ。こんなことを口にする佑月は、もうどっぷりと須藤という危険なドラッグにハマってしまっている。もう抜け出すことは出来ない。 「はは……」  不意に須藤が片手で頭を抱えるようにして、初めて声を上げて笑った。 「お前らしいと言うのか……」  須藤がゆっくりと顔を上げる。佑月はその表情を見て、心臓が撃ち抜かれたかのように、一瞬止まってしまったかと思った。 (なんて表情(かお)してんだよ……あんた)  切なそうに、それでいて嬉しそうに佑月を見上げてくる須藤の顔。そんな須藤を、佑月はまるで魂を抜かれたかのように、見惚れる。  そして事もあろうに、佑月は須藤に自らキスをしていた。そんな自分に驚くが、男ならこんな須藤を見れば、普通キスをしたくなる。  初めこそは驚いていた須藤も、直ぐに応えて舌を差し出してきた。佑月はそれを絡めて、いつも須藤がするように吸ってみたりと無我夢中で咥内を味わった。 (気持ちいいと思ってくれてるだろうか?)  反応が見たくて佑月は唇を離そうとしたが、突然須藤にグッと腰に片腕を回されてしまった。そしてそのまま須藤へと崩れ落ちるように、密着する形となった。 「んん……ふ」  そこからは須藤のターン。相変わらずのテクニックに、佑月は早くも頭の芯が痺れ……いや、全身が痺れて身体が熱くなっていった。 「は……ぁ……あ」 「佑月……」  お互いが興奮しきった様子で、息遣いも荒い。

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