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Confinement 16
照らし出す朝陽が、閉じた瞼の裏まで眩 い。久しぶりにぐっすりと眠れた気がした佑月は、手触りの良いシーツに指を滑らせていく。
(……ん? シーツ?)
浮かんだ疑問に、佑月はゆっくりと目を開ける。その目に見慣れた天井が映る。
「……寝室か」
全く記憶にないが、須藤が運んでくれたようだ。
「んん……痛っ……」
佑月はキングサイズのベッドの上で伸びをしようとして、腰に痛みが走り断念した。
「……なにこれ、重すぎる……。これ、起き上がれるのか?」
過去最悪のコンディション。昨夜、本当に無茶苦茶にされた。
須藤の場合、間を開けると駄目だと痛感する。今回は仕方なかったにしろ、須藤は溜まってた分を一気に吐き出してくる。それではこっちの身がもたないと、佑月は諸悪の根源である須藤へと顔を向けたが。
「……あれ? いない」
広いベッドには佑月一人。慌てて時計を見て、佑月は愕然とした。
「ウソだろ……朝じゃなかったのかよ」
もう昼前の十一時半。朝陽だと思っていたのは、ただの太陽の光だった。
「て言うか、なんで起こしてくれなかったんだよ。まさか……もしかして今日も部屋から出られないのか?」
居ても立ってもいられなくて、佑月は重い身体に鞭を打ち、なんとか上半身を起こした。が、ベッドから降りた瞬間。
「うわっ!」
やっぱりと言うのか、腰が砕けて立てなかった。 何とか佑月は立ち上がり、とりあえず枕元に須藤が用意した下着と、寝間着を身に付けた。
「うぅ……痛い……。やっぱり、回数制限は守ってもらわないと……死ぬ」
佑月は一人でぶつぶつと文句を言い、腰を擦りながら部屋を出た。歯を磨こうかと洗面所に向かおうとした時、キッチンから物音がするのが聞こえた。顔を覗かせると、滝川がちょうど昼を運んでくれているところだった。
「あ、成海さん、こんにちは」
「こんにちは滝川さん。いつもすみません……」
「いえ。本当は須藤様から成海さんをゆっくり休ませてやれと言われていたのですが、起こしてしまったようで申し訳あり──」
頭を下げていた滝川が、顔を上げて佑月を見た。そしてまじまじと佑月を見つめたかと思うと、何故かその頬が少し赤く染まっていく。
「あの……滝川さん、どうかされました?」
「え!? あ、いえ……と、とても仲が宜しいようで、私もとても嬉しいです!」
「は……はぁ……仲ですか?」
よく分からないが、おそらく須藤と自分の仲のことを言っているようだ。
「で、では、私はこれで失礼します」
「あの、ちょっと待ってください!」
そそくさと帰ろうとする滝川を、佑月は慌てて呼び止めた。
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