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Confinement 18

「んん……」  何かが身体を這っているのか、佑月の体はゾワゾワとした。しかもそれが気持ちよくて、自分でも鼻から抜ける声が甘くなっているのが分かる。夢にしてはリアル。昨日あれだけヤったのに、自分はまだ欲求不満なのかと、佑月がショックを受けてると、不意に左側の乳首を何かが掠めていった。次に潰すように捏ねたり、摘ままれたりして、身体がビクリと跳ねる。 「ふ……んん?」  あまりのリアルさに、佑月は胸元に這うものを追い払おうとしたら、その手を何かに掴まれてしまった。 「っ!?」  横向きに寝ていた佑月は、驚いて咄嗟に首を後ろに捻った。 「び、びっくりしたぁ……。お帰りなさい。と言うか、何してるんですか」 「ん? 何って可愛がってるんだが?」 「か、可愛がってるって……」  風呂上がりなのか、石鹸のいい香りといつもの甘い香りがする。しかも寝るときはいつも全裸の須藤。そんな須藤に佑月は後ろからギュッと抱き締められ、密着する肌が熱くなった。 「須藤さん昨日寝てないんでしょ? 今日は寝てください。明日の朝話したいこともあるし」  枕元の時計を見ると三時半。須藤の手が下半身へと滑っていくため、佑月は慌てて掴んで阻止をした。 「明日は午後からに調整したから、ゆっくり出来る」 「ダメです。寝てください。おやすみなさい」  佑月は完全に須藤に背を向けて、寝る体勢をとった。 だけど、大人しく言うことを聞く男でないのが須藤。佑月に掴まれていない方の手が、スルリと下の寝間着の中へと入っていく。 「須藤さん……本当にダメだって。寝てください」 「こんな状態のままにしておくのか?」  さっきのだけで、半勃ち状態の佑月の息子を、須藤が下着の上から揉んでくる。 「ちょ……放っておけば治まるから……。それに俺は怒ってるんですよ? こんな見えるところに痕つけるとか最低」 「そう怒るな。誰にも見られないんだから別にいいだろ」 「滝川さんに見られたよ!」  すかさず佑月が突っ込むと、一瞬黙った須藤だが、直ぐに舌打ちをした。 「アイツ……」  恐ろしい程の低音ボイス。見られただけなのに、須藤はなぜかとても怒っている。このままだと滝川が危ないかもしれない。 「言っておくけど、こんな痕なんてつけた須藤さんが悪いんだから、滝川さんを怒るのはお門違い。滝川さんに何かしたら俺は須藤さんを許さないから」 「なら、お前が俺を(なだ)めろ」 「は? 何で俺が……あっ」  なぜ宥めなきゃならないのか。そんな理不尽さを感じながらも、佑月は結局防御出来なかった──。

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