313 / 444

真実1 12

 赤の他人である佑月に、そこまで暴露するのは、円城寺に対しての怨恨が相当深いからだと分かる。だが、何故それを佑月に話すのか。  ほんの少し関わっただけのような自分に。そこが少し引っ掛かった。 「あんなのが、トップだなんて下で働く人間が浮かばれないよ。人間のクズだ」  そんな中での樹の力強い言葉。まだ高校生である彼の着眼点に、佑月は恐れ入った。  下の者まで思いやれるのは、トップに立つ人間には必要な要素だ。円城寺を引きずり下ろすとまで言ってのけるわけだと。 「だからその決定的なネタをしっかり掴んで、破滅に追い込んでやるんだよ」 「なるほど。それは確かに由々しき事態だね。でも、何でそれを俺に話してくれるの? まだ会ったばかりのような俺に」  言ってみれば、伝統ある円城寺家の汚点を他人に漏らしてるわけだ。  樹が円城寺を破滅に追い込むことを視野に入れていたとしても、佑月に話す事にメリットはない。 (円城寺が俺に関わる事に、心配はしてくれてるようだけど) 「僕は成海さんを助けたいんだ」 「俺を助けたい?」  佑月が首を傾げていると、樹は鞄からスマートフォンを取り出し、何やら操作して、「これを見て」と画面を差し出してきた。 「え……」  何の心づもりもなく覗いた画面だった故に、理解したときに襲った衝撃はかなり大きなものになった。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!