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真実1 12
赤の他人である佑月に、そこまで暴露するのは、円城寺に対しての怨恨が相当深いからだと分かる。だが、何故それを佑月に話すのか。
ほんの少し関わっただけのような自分に。そこが少し引っ掛かった。
「あんなのが、トップだなんて下で働く人間が浮かばれないよ。人間のクズだ」
そんな中での樹の力強い言葉。まだ高校生である彼の着眼点に、佑月は恐れ入った。
下の者まで思いやれるのは、トップに立つ人間には必要な要素だ。円城寺を引きずり下ろすとまで言ってのけるわけだと。
「だからその決定的なネタをしっかり掴んで、破滅に追い込んでやるんだよ」
「なるほど。それは確かに由々しき事態だね。でも、何でそれを俺に話してくれるの? まだ会ったばかりのような俺に」
言ってみれば、伝統ある円城寺家の汚点を他人に漏らしてるわけだ。
樹が円城寺を破滅に追い込むことを視野に入れていたとしても、佑月に話す事にメリットはない。
(円城寺が俺に関わる事に、心配はしてくれてるようだけど)
「僕は成海さんを助けたいんだ」
「俺を助けたい?」
佑月が首を傾げていると、樹は鞄からスマートフォンを取り出し、何やら操作して、「これを見て」と画面を差し出してきた。
「え……」
何の心づもりもなく覗いた画面だった故に、理解したときに襲った衝撃はかなり大きなものになった。
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