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真実2 6
佑月は傍らに置いていた鞄の口を開け、書類の上にそっと黒のスマートフォンを置いた。
そして円城寺に促されながら、部屋へと向かった。
「さあ、入って」
円城寺が扉を開くと、嫌みったらしく豪華な調度品が佑月の目に入る。
広さは須藤の部屋とほぼ同じだろうが、無駄な物を置かない須藤の部屋と違って、家具もあるせいで少し狭く感じた。
中央にはセミダブルのベッド。その左手には続き間があるようで扉があった。
テレビでもよく見る、いかにも金持ちといった部屋。別段何か変わった趣味があるわけでもなさそうだった。
だが部屋に一歩入った途端、何かねっとりと嫌な空気が流れているのが分かり、佑月は身震いがした。
円城寺のプライベートルームと考えただけで、おぞましいものを感じたからだ。
それを吹っ切るように、佑月はさりげなくベッドサイドのナイトテーブルに目をやる。
(……あれか)
樹から聞いた写真立て。
ここからでは遠くてよく見えなかった。
「突っ立ってないで、ベッドに入りなさい」
「……横になるほど酔ってませんので」
「そう言わず腰を掛けるだけでもしなさい」
ソファがあるというのに、目的がそこだと言わんばかりの円城寺に、嫌悪感が更に増していく。だがここで強く拒めば、ここまで来た意味が無くなる。
佑月は円城寺に軽く背中を押されるまま、渋々とベッドサイドまでゆっくりと歩いた。
ここまで来ると、嫌でも写真に写るものが鮮明に分かった。かなりの動揺が佑月を襲うが、円城寺に悟られないよう、ゆっくりと息を吐き出す。
「何か水でも飲むかい?」
「……いえ、結構です」
佑月は鞄を自身の側に置き、ベッドへと腰を下ろそうとした。
だが、ここでこの男が寝ているのだということが頭に過ると、佑月の身体が固まる。
そんな佑月の両肩を円城寺は突然掴んで、そのままベッドへと押し倒してきた。
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