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薔薇 2

「ようこそ、お待ちしていました。彼から伺ってます」 「すみません。少しのお時間お邪魔します」 「どうぞ、中へ」  男に促され、佑月らは施設……病院内へと足を踏み入れた。  実は佑月は一度この男と会っている。例のUSBを預かった案件での依頼主だった高田が、柿田によってケガを負わされたため、須藤が連れてきてくれた所だ。  その時担当した医師がこの平田という男だ。担当したと言っても、ここには医師は平田一人しかいない。だからだ。  そして佑月が何故ここへ訪れたのか……。それはある男と会うためだった。 「部屋はこちらです」  前回に来た時も佑月は感じたが、中は綺麗で一見すると病院内には見えない。例えるならば別荘のよう。  佑月は周囲に走らせていた目線を平田に戻すと、首肯した。 「武器になるような物は、一切置かないようにしてますが、十分に気をつけて下さい。あと、面会が終われば、私に声を掛けて下さいますか?」 「はい、分かりました」  平田は扉の鍵となる暗証番号を入力し解除すると、滝川に一度視線をやってから、持ち場へと戻って行った。 「成海さん、私は隣の部屋でモニターから見させてもらいます事を、ご了承下さい」  滝川が深々と頭を下げるのを、佑月は気にするなと、その腕に触れた。 「では、行ってきます」  滝川が頷き、隣の部屋へと入って行くのを見送った佑月は、大きく息を吐き出し、目の前の扉をノックした。  返事はないが、佑月はゆっくりと扉をスライドさせる。そして目に飛び込む光景に息を呑んだ。  ベッドはカーテンに仕切られ、まだ目的の人物は見えないが、部屋には窓が無く、部屋全体が真っ白だったのだ。 

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