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いつまでも 11

「あ……あぁ……須藤さん……ダメだって……」  狭い空間に、粘着質な水音と、艶のある佑月の声が反響する。ぐちゅりとわざと大きな音を立てられれば、羞恥でどうにかなってしまいそうだ。  背中にひやりとした大理石の壁があたり、それを支えにするが膝から崩れ落ちそうになる。  須藤はそんな佑月の細い腰をしっかりと支えながら、茂みに顔を埋めている。 「っ……ダメ……本当に……」  須藤の髪に両手を差し入れ、引き剥がそうとするが、須藤は逆に後ろの秘孔に指を滑らせ、円を描くように撫でてきた。 「あ……っ! す、須藤さん……っ」  固く閉じた蕾をほぐすような入念な動きに、佑月の膝はガクガクと震える。打たれるシャワーとボディソープの相乗効果で、須藤の指は抵抗なく蕾の中へと滑り込んでいった。  なぜこんなことになってしまってるのか。それは数分前。  入院中は思うような入浴が出来なかったから、風呂へ入りたいと須藤が言った。左腕が思うように動かせないから、洗ってほしいとも。それはそうだろうと、佑月には断る理由がなかった。  広い脱衣ルームで須藤はシャツを脱ぎ、逞しい身体を惜しげもなくさらすが、その左腕と左肩には、小さなテープが傷痕を固定するように貼られていた。  傷はまだ塞がったばかりのような生々しさがあり、思わず目を背けたくなった。だがこの傷は、自分のせいで付いた傷なのだ。目を背けてはならないと、佑月は逸らしかけた視線を戻した。 「痛みますか?」  佑月は須藤の胸元に手を滑らせ、心配が滲んだ目で見上げた。そんな佑月を優しく見つめ返す須藤。 「いや、痛みはない。心配するな」  まだ一週間だ。体内を貫通した傷は深いなんてものじゃない。痛まないというのは、須藤なりの気遣いだ。その気遣いを無駄にして、あまりしつこく言うのもどうかと思い、佑月はこくりと頷いた。 「それよりも佑月、お前まさかそのままで入るつもりか?」 「うん。だって頭と背中だけなら服着たままでも大丈夫だろうし」  靴下を脱いで、腕とスラックスの裾を捲っていると、須藤が佑月のワイシャツのボタンを次々と外していく。 「ちょっと何して……」 「面倒くさいことしなくても、お前もこのまま一緒に入ればいいだろうが」 「え……まぁ……」  そうかもしれないが、ベッド以外の場所での裸は少しの抵抗感があった。今さら裸体を晒すことに羞恥を覚えてしまうのもどうかと思うが……。だがそうも言っていられず入ることになったのだが……。この男が大人しく身体だけを洗って終わりで済ますはずがなかったことを、佑月は失念していたのだった。  

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