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いつまでも 15

 まさか自分が男を好きになる日が来るとはと、何度思ったか知れない。怖い、傲慢、自己中で佑月にとっては苦手な男でしかなかった。  だが、須藤は佑月の気持ちを無視することはしない男だった。強引に絡めとるくせに、最後は必ず佑月にそれを解かせる。もし先に身体を奪われていたら、きっと佑月は須藤を想うことはなかったに違いない。  だから反発しつつも、須藤という一人の男に佑月は惹かれていったのだ。  自分がゲイなのかバイなのか、そのセクシャリティは正直分からないが、この先きっと須藤以外の男(人間)には惚れることは決してないだろう……。 「どうした? 眠れないのか?」 「あ、ごめんなさい。起こしてしまいましたね……」  身を寄せた僅かな気配で起きてしまった須藤。きっと須藤もまだ深い眠りではなかったのだろう。  須藤は佑月を引き寄せて、その腕の中へと閉じ込めるように抱きしめてきた。もちろん佑月もそれに応え、須藤の少し熱い身体を抱きしめ返した。 「須藤さん……」 「ん?」  須藤の広い胸に頬を擦り寄せ、更に密着させると心地いいテンポが耳に伝わってくる。生きてるんだと強く実感する。 「……ううん。なんでもない」 「そうか」  優しく髪を撫でられることと、落ち着いたリズムを刻む鼓動の音が、佑月に安心を与えていく。 「おやすみ」  額に落ちる唇の感触。須藤の『おやすみ』を遠いところで聞きながら、佑月は安らげる場所で、ようやく眠りにつくことが出来た。  いつまでも、須藤の温もりを感じながら──…… fin

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