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after story 6

「おう! どうした? あぁ……暫く無理だわ。しゃーねぇだろ……」  受話口から漏れる声は女の子の高い声。聞くつもりはなくても、静かな部屋では嫌でも耳に入ってしまう。しかもその内容は思わず眉をひそめたくなるもの。 「はぁ……女ってめんどくせぇよな」  電話を終えた柾は、同意を求めるように佑月にぼやいてきた。 「だったらもっと節度を持ったらいいんじゃない?」 「節度つったって、今はヤりたい盛りっつうの? しゃーねぇじゃん。だいたい女もさ、簡単に足開くのも問題じゃねぇ?」  高校生と言えばそういう年頃なのかもしれないが、悪びれた様子も見せず、開き直ったような柾に佑月は頭が痛くなった。 「親御さんは凄く心配なさってるよ?」  実際会ってみたら、意外と飄々とした母親だったが、親なら色々と心配だろう。 「親? つったって、ほとんど海外に出張してるし、顔合わせるのなんて、年数回だぞ」 「年数回なの? じゃあ、今は久しぶりに帰って来てらっしゃるんだ」  だから、柾は大人しく家にいるのかと、佑月は少し微笑ましく思った。 「あぁ、今夜帰ってくる予定。一ヶ月後また戻るんだけどな」  今夜帰ってくる予定というのは父親のことだろう。なら、母親は一人先に帰って来たということかと、佑月が結論付けた時、柾が軽く息を吐いた。 「あのさ、言っとくけどあの人は母親じゃねぇからな」 「え?」  確かに母親にしては若すぎるとは思った。だが、十代で子供を産むのはさほど珍しくないから、勝手に佑月はそう思い込んでいた。  母親だと思っていた女性は、柾の父親の妹。叔母であるようだ。

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