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after story 28
「あのねぇ、人の家で──」
柾の腕を離した途端、両腕をがっしり掴まれ、向き合う形にされる。なんだ? と思う暇もなく佑月は柾に抱きしめられていた。
「ちょっと……柾くん、いきなりなに?」
腕の中から抜けようと必死になる佑月を、柾は逃がさないように更に腕の力を強めてきた。
「佑月……オレおかしいのか?」
「え? なに? 話聞くからとりあえず離してくれ」
「オレ……男なんてキモいし、そういう対象で見たことさえないのに、佑月見てると時々、こう、ふと我慢出来なくなるっていうか……」
これはどう考えてもマズイ状況だ。柾になつかれているのは分かっていた。だが、女遊びが激しい男子高校生の少年が、まさか男である自分にそういう目を向けているとは思ってもみなかった。
しかしそのサインは時々に送られていた。ただ佑月が気づかなかっただけで。須藤のことで頭がいっぱいだった為に、見落としていたのだ。
「……柾くん、それはただの勘違いだよ。だから腕を離して」
「勘違いって言うなら、ちょっと試させてくれよ」
「試すってなに──っ!」
突然、尻を鷲掴みにされた挙げ句、後孔付近を指で押されてしまい、佑月の身体はビクリと跳ね上がった。
「男同士ってここ使うんだろ?」
佑月は一瞬で青くなる。試すとはそういう事なのだと理解すると、渾身の力を込めて柾の身体を押した。よろめいた隙に、その腕から逃れる。
「待て!」
「あっ……!」
だが直ぐに掴まり、佑月は絨毯の上に押し倒されてしまった。あまりのショックで一瞬固まってしまった佑月を、柾は両手を縫い付け、完全にホールド状態にされてしまった。
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