400 / 444

after story 29

「やべぇ……オレ、佑月なら抱ける」  言葉通り喉を鳴らす柾。腕を外そうと必死に身動ぐが、体格差もありびくともしない。 「今すぐ止めたら許すから、こんなこと止めなさい。これはレイプと一緒だ」  強い口調で窘めるが、逡巡したのは一瞬。直ぐに顔を近付けてくる。 「柾くん!」 「ごめん、佑月。佑月に触りてぇんだ」 「やめっ……ん……」  抵抗も虚しく、佑月の唇は少し湿った熱いものに塞がれてしまう。高校生らしいというのか、少し乱暴で痛みさえ感じる。佑月の唇をこじ開けようと、舌で強引に割り入ろうとするが、佑月は頑なにそれを拒否する。 「佑月……頼む口開けてくれよ」  佑月は目を固く閉じ、口もそれと同様に完全に拒否の態度を示す。反対に柾は完全に興奮してしまっている。佑月へと押し付けられる下半身が硬くなってるからだ。  柾は佑月のネクタイを素早く外すと、抵抗する間も与えず、両手首を縛る。 「柾くん! 本当にやめろ! 今すぐ外すんだ」 「ごめん、佑月」  柾は謝りながらも、暴れる佑月を押さえつけ、スーツ、シャツのボタンを手際よく外していった。 「柾くん!」 「すげぇ……綺麗。ここもピンクとか……どんな身体だよ」 「っ……」  親指で乳首を捏ねられ、佑月の身体は悲しいほどに過剰に反応してしまった。そんな佑月を見て柾の喉が上下する。 「エロ過ぎるだろ……」 「やめっ……! 柾くん!」  貪る勢いで乳首に吸い付かれ、佑月は大きなショックを受ける。こうも簡単に高校生に組み敷かれ、全く警戒もしてなかった愚かな自分に。そして須藤以外の男に触れられる嫌悪感に、佑月の視界は滲んでいく。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!