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after story 38

 まるでどこぞの高級ホテルかのように、全てが豪華な造りとなっている。通された部屋もアンティークの家具で揃えてあり、須藤のマンションの部屋のモノトーンで統一されたものとはまるで違う。豪華絢爛とはこの事だと佑月は溜め息をこぼした。  そしてダイニングテーブルには豪勢な食事が既に整っていた。無駄に大きなテーブルのせいで、須藤との距離は三メートルくらいは離れている。その距離がなくとも、会話らしい会話もなく、ずっと緊迫した時間が流れていた。そのせいで本当なら楽しい時間なのだろうが、全く落ち着く事が出来ず、チラチラとあらゆる場所に視線を泳がせては、佑月はそわそわとしていた。 「なんだ、落ち着きがないな」  須藤の咎めるような声音。それにムッときた佑月は、カトラリーを少し乱暴に置いた。 「これが落ち着いていられますか」  須藤は持っていたワイングラスをテーブルに置くと、佑月を真っ直ぐ見据えたきた。その目に少し怖じけそうになるが、キッと佑月も正面から見据えた。 「ちゃんとどういう事なのか、説明してください」 「説明など必要ない」  すげなく一蹴されるが、ここで引くわけにはいかない。 「必要です。一週間もなんて、どうかしてる。せめて電話させて下さい」 「監禁されてる身が何を言ってる」 「か……」  白目を剥きそうになるのを必死に堪え、佑月は自身を落ち着かせようと、大きく息を吐き出す。 「じゃあアンタは? 仕事大丈夫なんですか?」 「あぁ、今日のために詰め込んできたからな。心配するな」 「……」  何か今、とても聞き捨てならない事を須藤は言った。佑月は唖然としてしまい、暫く口が半開きになっていた。

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