422 / 444

after story 51

「一体何処でそんな誘い方(こと)を覚えた?」 「ぁ……」  須藤は雄を少し抜くと、入り口付近で緩い抽挿を始めながら、佑月の耳たぶを舐め上げる。もどかしい動きに、まだ意地悪は続行中なのだと、佑月は不満げに鼻を鳴らす。こんなに余裕のなさそうな熱い目をしているのに、今夜はとことんお互いに焦らしプレイのようだ。 「何処でって……アンタだからだよ。知ってるくせに」 「いつもは恥じらうくせに、周辺に誰もいないとなると開放的にでもなるのか?」  確かにここは須藤と佑月だけしかいない。煩わしい都会の喧騒もない。だけどそんなことなど佑月の頭にはなかった。ただ目の前の愛しい男に夢中になってるだけだ。 「もう……アンタも限界のくせに。早く動いてくれよ」  佑月は須藤の首に両腕を回し、そのまま引き寄せてキスをする。ねっとりと舌を絡ませ吸い合い、お互いの咥内を愛撫し合う。そして須藤は雄を一気に奥へと突いてきた。 「んあぁ!」  脳天まで一気に痺れが走る。そして須藤にそのまま身体を起こされ、対面座位の形に。この体位は須藤と密着が出来て、顔もよく見える。 「あ……ふ、深い……」  内臓を押し上げるような圧迫感がいつも怖いが、深い快感があることも知っている。小刻みに下から突かれる度に背筋に痺れが走り、佑月は須藤の首にしがみつく。 「ぁは……あ……あ……」 「佑月、顔を見せろ」 「む、むり……あぁ……」  須藤はセックスの時、どうも佑月の顔を見たがる傾向にある。だからバックでの行為を始めても、最後佑月がイク時は必ず対面させられる。快感で蕩けきった表情など、見られたくはないのだが。  

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!