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怪しい依頼 6

「依頼人の高田さんは怖くなったのかもね……。得体の知れない物を預かって、挙げ句それがUSBメモリだと分かる。そんな物を一週間も預かる自信がなかった……」  あの青い顔をした高田が佑月の頭に浮かぶ中、海斗からUSBメモリを受け取ると、それを眺めた。 「うちとしても、中身がヤバそうだとか、機密データだったりすると困るわけだけど……」 「ほっとけなかったんですよね? きっとその依頼人の高田さんは佑月先輩から見たら、お人好しで素直でいい人に見えた」  違いますか? と目で問う陸斗に佑月は再び苦笑した。  長い付き合いになる陸斗には、自身より佑月という人間を理解してくれているのかもしれない。気が置けない間柄とは妙にくすぐったく、嬉しいものがあった。 「とにかく、これは一週間預かればいい依頼だ。俺が責任持って預かるよ」  三人に笑みを向け、佑月はUSBメモリを一旦内ポケットへとしまった──。

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