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危険な男

◇  USBメモリを預かって三日。  佑月は今日も無事に依頼をこなし、一人になった事務所内。時計の針は二十二時を差している。  陸斗ら三人は三十分前に帰って行った。  佑月は金庫に鍵が掛かっているのを確認してから、事務所を出て鍵を掛けた。 「はぁ……今日も疲れた」  二十代前半の時とは違い、確実に落ちた体力に佑月の口からは溜め息が出てしまう。  オッサンと呼ぶにはまだ早い歳。情けないことだった。  最寄りの駅まで歩いて五分だが、何だか今日は四月の半ばにしては寒く、佑月はタクシーで帰りたくなった。  だがタクシーで帰っても経費では落ちない。今まで佑月は何度この葛藤をしてきたか。 「はぁ……」  再び大きな溜め息を吐いて、佑月は駅へと向かおうとした。

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