51 / 444
黒薔薇 2
「あんたホントに三十前の男か? どう見ても年上に見えねぇ。この綺麗で滑らかな肌。これでどれだけの男に抱かれてきたんだか……」
リアンの白く美しい肌を、武骨な手が滑っていく。 身を捩るリアンは艶かしい吐息をこぼして、クスリと笑う。
「間違いなく、来年三十ですよ僕は。それにセックスは楽しむものでしょ? 色んなタイプがいて楽しいしね」
「楽しむものね……」
「そう言う桐山さんも好きでしょ? こういうの」
自分の容姿の美しさを十分に理解している妖艶な笑み。 それを向けられた者は、魂が抜かれたかのように見惚れてしまう。
桐山もそれに違わず、リアンの美しい容貌から目を離せずにいた。
「あ、そだ。ちょうど桐山さんの好きそうなタイプがいるんだけど……」
わざと中途半端に、躊躇いを含む言い方をする。 興味を向けさせるには、一気にネタばらしをしない方が、上手くいくことが多い。
「おれの? うーん……でもなぁ、あんた以上の美人なんていねぇだろ?」
桐山は相当の美男子好きだ。 疑問形で訊いてくるということは、興味がある印。
「それが、悔しいんだけど、とても綺麗な子なんだよね……」
「へ、へぇー……」
好感触にリアンはこっそりと舌なめずりをした。
「どう?」
リアンは桐山の耳元に息を吹き込む。
すると、耳が弱い桐山はピクリと反応した。
「……一度会ってみるのもいいかもな」
「でしょ? でも、彼はピュアで真面目な性格なんだよね」
「……そうなのか?」
「うん」
もちろんわざと強調して言った。
桐山は征服欲の強い男だ。 自分の好きなタイプの男を、自分好みに育てていくことを想像でもしてるのだろう。
桐山の性器が芯を持ちはじめた。 みるみる猛っていく性器を、リアンはゆるゆると扱いてやる。
「だから、色々と準備を含めてゆっくり計画を練らないと、ね?」
「あぁ……そうだな……うっ」
リアンの細い指が先端をくじると、桐山の鍛えられた腹筋が波打つ。
先走りで濡れた指を桐山に見せつけるように舐め取ると、我慢出来なくなった桐山はリアンに覆い被った。
太い楔 を打ち付けられ、リアンは喘ぐふりをして一人ほくそ笑んでいた──。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!