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Trap 12

「ほら、今指が何本入ってるか分かるか?」 「く……あ……はぁ……はぁ」  身体から吹き出る汗。荒い息遣い。  全身が敏感肌にでもなってしまったかのように、どこを触れられても電流が走ったように熱くなる。二つの薬のせいで佑月の気は狂いそうだった。 「う……あ……抜け……よ」  初めは痛くて仕方なかった。だが徐々にほぐされていくうちに、痛みと気持ち悪さの中で、何か言葉では言い表せられない感覚が生まれていた。それが佑月を戸惑わせる。 「我慢したら身体に毒ですよ?」  松本が佑月の身体を押さえつけながら、下半身へと覗き込む。 「ほら、弾けたくて仕方ないように、いやらしい汁が沢山溢れてるよ」 「……み……るな」  わざわざ口に出され、羞恥と苛つきでシーツに顔を埋めた。  吾郎は後ろばかり弄って、前には一切手を触れてこない。だが自分の意思とは関係なく、熱を持って痛いほどに主張する佑月のモノ。  そこからポタポタとシーツを濡らしていることは、佑月も分かっていた。  イキたくてもイケない。放置されたままで正直辛い。 だが、こんな男の手だけは借りたくない。辛いが耐えるしかなかった。 「おい、見るのはいいが、触るなよ? それもおれの楽しみの一つだからな」 「分かってるよ」  笑い合う二人の会話も、もう佑月の耳には入ってこなくなっていた。  終わりが見えないこの辱しめに、絶望という闇に堕ちながらも、意思に反する身体の反応。熱くて()ぜそうになる。  〝イカせてくれ〟とんでもないことを口走りそうで、佑月は頭をおもいっきり振った。 「そろそろ食べ頃だな。ほら、顔。こっち向けよ」  シーツに顔を埋めていた佑月の髪を鷲掴み、吾郎は強引に顔を持ち上げる。 「あ……ぅ」  涙でぐちゃぐちゃになった顔。焦点も合わない。頭も身体も重く、ただひたすらに熱い。 「はは……これは我慢できねぇな。エロ過ぎだろ」  言葉の通り余裕がないのか、チャックを下ろすのに、少し手間取ってる姿が佑月の目に映る。  催淫のせいで、もう抵抗する気力もなく、佑月は仰向けへと転がされるがままだ。足の拘束だけがいつの間にか解かれていたのも気付かず、吾郎に膝を高く抱えられた。 「何度でもイカせてやるからな。先ずは中でイケ」  そう言って吾郎のモノの先端が後孔にあてがわれた時、無機質な音が部屋に鳴り響いた。

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