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Trap 14

 ある意味拷問と同じだ。この際誰もいないからと恥を捨て、佑月は分身をシーツに擦り付けてみたが一度目とは違い、登り詰めるには弱すぎる刺激だった。 「は……ぁ……はぁ……もう……イヤだ」  大量に噴き出す汗。熱くて熱くて溶けそうな身体。いつまでこの地獄は続くのか。あの薬が佑月の身体を(むしば)み、効力は増すばかりで本当に壊れそうだった。  力が入らない事もあり、諦めて俯せに倒れ込んだ時、何か金属が弾けるような音が部屋に響いた。 「な……に?」  確認をしたかったが、身体は熱さと怠さで、動くのも億劫だったため、佑月は耳だけを澄ました。  まさか再び二人が帰ってきたのかと、佑月は息を呑む。 「逃げられたか」 「そのようですね」  不意に聞こえた二人の男の声。  部屋に入ってきてるようだ。 「とにかくお前らは奴らを探せ」 「かしこまりました」 (この声……)  ぼんやりとした視界に映る大きな影。その手に持つ物に視線がいく。 (あれは拳銃……だよな?)  を懐にしまいながら、男は佑月の元へと近づいてきた。どうやらさっきの金属音は、ドアノブをぶっぱなした音らしい。徐々に焦点が合い、男と目が合った。 「成海」  低い声。その整った顔は、一見すると無表情だが、その瞳の奥は怒りで燃えているのが分かった。 「な……なんで……ここに?」 「お前の行動は常に把握している」 「常に把握? それでも……部屋までって」 「そんなことより」  いつでもどこでも危険な香りをプンプンと匂わす男……須藤。  人の話を聞かず、突然現れた須藤は、眉を寄せながら佑月の全身に視線を走らせた。その視線に、忘れていた自分の姿を思い出させられる。 「あ……み、見るなよ……」  (うつぶ)せになっている佑月は、尻を丸出し。スーツの上着とシャツは、両手を縛られてるため腕に絡みついている。  須藤の登場に気を取られ、佑月は自身の状態を忘れていた。横にも向けない。どこを向いても丸見えになってしまう。  慌てる佑月にお構い無く、須藤はベッドの端に腰を下ろして、佑月からずっと視線を外さずにいる。 「み、見るなって……」 「最後までヤられたのか?」 「……」 「ちゃんと答えろ」  静かだが、怒りのこもった声に唾を飲み、佑月は首を振った。 「この匂いに、お前のその状態」 「ひぁ……っ!」  突然須藤は、佑月の腰を掴んで仰向けにひっくり返し、陰部に触れてきた。  後孔を撫でられただけなのに、全身に震えが走り、(たかぶ)りの先端からは先走りの蜜が溢れていった。 「なに……して……触るな」  足を閉じたいのに、須藤の力強い手によって膝を割られ、佑月の力ではどうにもならなかった。

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