「お前はただ素直に俺を受け入れたらいいんだよ」 「意味が分からない……」 　自分の胸元で喋る男と目が合う。 「そのうち分かる」 　須藤はそのまま佑月から視線を外さず、ぷっくりと育った乳首を、肉厚の舌を少し尖らせてくじるように舐めた。 「や……それ……やめろ」 　ピチャリとわざと音を出して、そこを舐めたり吸ったり、挙げ句に噛んだりとランダムに刺激を与えてくる。須藤を引き剥がそうにも、見えない渦に沈みかけている佑月には力が出なかった。執拗に同じところを責められ、少しの痛みさえ伴い始める。 「は……あ……そこばっかり……やめ」 　だけどその痛みも、今は気持ちいいとさえ感じたりして、自分の身体の変化に佑月は戸惑っていた。 「赤く腫れている」 「あっ……」 　最後にそこに軽く口付けると、須藤は身体を僅かに起こし、佑月の顔をじっと見つめてきた。 「……な、なに？」 「この俺が本気で余裕を無くしそうになるなんてな……」 　そう口にしたと思った瞬間には、須藤は貪るように唇を重ねてきた。 　本当に余裕がないように感じるほどに、珍しく荒々しい。それが窒息しそうな程に苦しい。身体も隙間なく密着され、佑月はあまりの苦しさに須藤の広い背中に腕を回して、必死に叩いた。 「ぷはっ……はぁはぁ……」 　酸素を求めて喘ぐ佑月と須藤の間に、銀色の糸が引いていく。 　そして妖艶に自身の唇を舐めた須藤は、徐に身を引くと、佑月の下の着衣に手を掛けた。 「え……あ、ちょっと待って！」 　佑月の下半身は、濃厚なキスのせいで見事に反応している。だが制止も虚しく、無言で下着もろとも脱がされてしまった。 　ショックを受ける間もなく、本日二度目のご対面宜しく、須藤は躊躇うことなく佑月の息子に手を伸ばした。 「ちょっと……須藤さん……っ」 　柔く握る須藤の手を外そうと試みるが、それも邪魔をされる。 　しかも何故か急に無言になる須藤。 　調子は狂うし、拒むのも何か躊躇うような空気。そう、何と言うのか須藤の本気モード。 　表情も佑月をからかう時のニヤけたものは一切なく、まるで愛でるような眼差し。 　腰がむず痒くて居心地悪い。 　頼むから何か喋ってほしい。 　これが須藤の策だと知る由もない佑月は、１人この空気に呑まれていた。