26 / 109

26

  「───黎様っ!!!」 鉄格子の扉を蹴り破る勢いで、執事長がコンクリート貼りされた部屋に入ってきた。そんな僕といえばもうアラレもなく、男によがらせ捲られていた。 「………あ"あ、……もっど………」 もうどれだけイキ捲ったのか解らないが、僕はずっとアレからこの男に強張り続けていた。僕の欲求はソレでも満たされないのか、ソレとも、この男に依存してしまったのか解らないが、入ってきた執事長が呆れるほどだった。 「セバス、コレは合意だ。いま、止めるとれいが哀しむぞ」 というよりも、狂乱するだろうなとソレは愉快そうに男は目を細めてそういう。僕はそんなことどうでもよくって、「………ぢゅーは………!!」と怒って舌を男に向かって差しだしていた。 「ああ、れい、可愛いよ♪」 男は僕がこうして欲しいと思うことをいって、僕の舌を絡めとる。 「………っん!………はぁっ……………ィク………!!」 この男のことが好きで堪らないと僕は肩を大きく震わして、メスイキをする。僕の男根の尖端にはまだあの棒状のおもちゃがついたままだから。だが、コレも合意だ。 僕が精子を吐きだすのは嫌だというと、この男はこのおもちゃでソレが可能だといったから抜き取ることをせずにいるのだ。確かに、尿道を塞がれて精子はでてこない。こないが、射精感がずっと残るから気持ち悪いともいえる。 「………ぃあ、………でぞう!!」 大きく反り返って、男根をピクピクさせると追い討ちをかけるように男が腰を突きあげてくる。ソレがまた射精感を誘発させるから、僕の男根はビクビクと大きく痙攣をしていた。 「でないよ。だから、安心してイって」 イった余韻も与えて貰えずもういちど僕は大きく身体を震わして、イった。肩で大きく息をして少し落ちついたと思ったら、また身体の奥から欲が沸きだしてくる。枯渇したかのように「ぢゅー!」と叫んで、また繰り返す。 「…………ぜ、…………が………………だぁない…!!」 「黎様?………記憶が戻ったのですか?」 そんな僕がどんな状況にあるのか執事長は知っているようで僕にそう訊くが、僕はそんなこと知るよしもないから首を傾げた。ソレに、いまはソレどころではない。僕はこの男のすべてを食べ尽くしたいと思っているのだ。なにもかも、ぜんぶ。 ソレがどうしてなのか解らないが、そうしないといけない気がして、僕はさっさと執事長との会話を終らすとせっせと男を誘惑し始める。 「……も、……はぁし…、おわぁゆ……!…あ、ち、……いげ……!」 僕は男の両耳を掴んで男の唇に貪りついて、舌をだせとせがむ。繋がったままの腰をゆるゆると揺らして、「ほら、動け」とばかりに男の腰に足を廻して絡ませた。上機嫌の男は僕のいいなりで、僕が求めるモノを与えてくれる。 「……はぁんっ、……ぜ、が……!……きちぃっ、……しょこ………!!」 もっとと悶えまくっている僕をガンガンと攻めてくる男が僕を組み敷く。さらにもっと深く奥を突かれて僕はイキ捲るが、こういうしつこさは嫌ではなかった。もっとと心の底からそう思えて、必死に男の首にしがみつく。 「れい、愛してる………」 そう囁かれるとすべてが許せて………………、───すべてが許せて………?………すべてって………? すべてってなんだろう?僕のすべて?──いや、この男のすべてだと思った瞬間、身震いをする寒気が一気に走って僕は大声で怒号した。 「───いやぁああああああぁ、はなじで!!」 急に拒絶して大声で叫びだした僕に驚いたのは、執事長だ。僕を組み敷いて僕を犯すこの男はちっと舌打ちをする。ソレは物凄く冷たいモノで、僕は手足をばたつかせて暴れた。が、男の力は尋常ではなくって、僕は執事長に助けを求めていた。 合意といっていたハズの行為中に変貌するから、執事長は困惑したのだろう。 「雪梅様!!」 「煩い、黙れ!!」 男の叱咤に執事長が押し黙る。男は般若の顔でこう叫ぶ。 「れい、私から逃げられると思っていたのかい!いっ生離さないっていったハズだ!いいかい、私からは絶対に逃れられないんだよ、れいっ!」 解っているのかい?と。余りにも残酷な言葉が僕の脳裏に轟き、僕はのたうち廻るように、叫んだ。 「雪梅、嫌い!!雪梅、嫌い!!雪梅なんか大っ嫌い!!!」 もうヤダ、死にたいという言葉を平然と口にした僕が取る行動はひとつだ。そう、舌を噛み切ればイイことだ。 ソレに気がついた男が僕の口の中に指を三本突っ込んだ。当然、僕は容赦なく、その指を噛んだ。喰いちぎる勢いで噛みつくのだが、男は絶対に僕の口の中から指を引き抜こうとしなかった。  

ともだちにシェアしよう!