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  「ああ、イイ子だ」 ゆっくりと呑み込みなさいと、雪梅は床に転げ落ちた印綬を拾って、僕の後孔にくわえ込ませようとしていた。 「はぁっ!!…………、むぅり………!!」 そういって、息がどうしてもあがるのは、僕が欲しているモノがソレではないからだろう。そして、せっか、ちんちん、挿れて!!と強張る僕の瞳はもう誰の姿も映ってはいなかった。 「ダメ、ちゃんと、私のいうことを聞いて。れいは誰のモノ?」 「………っか、……………っか!」 僕は首を大きく振ってそう応えるが、ソレはもう事務処理的な感じで、早くちんちんちょうだいと雪梅に強張る始末。ソレは、印綬に塗られていた媚薬のせいだろう。そして、再びたっぷりと媚薬が塗られていた印綬を雪梅は僕の下の口に含ませようとしていた。規定量を越えた媚薬の投入に、僕の身体は参っている。こういう薬の免疫がないから、僕の身体は悲鳴をあげていた。 「………っか、……………あっちゅぃ……」 灼熱の炎で焼かれたみたいに赤く染まりあがった身体は、さらなる熱を求めていた。触れて、そんなモノではなく、雪梅で。僕を縛って、そんなモノではなく、雪梅の心で。 熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い! どうして触れてくれないの?どうして僕に触れてくれないの?どうして、どうして!! 「……っか、……………っか、………っか!!」 ソレなのに、雪梅はゆっくりとあてがわれた印綬を下の口に呑み込ませていく。そして、ソレと同時に入ってくる彼の指を深く深く呑み込んでいった。 ごつごつしたモノが僕の中をぐちゅぐちゅとかき廻して、僕はゆるゆると腰をくねらす。こんなモノでは足りないと解っているのに、雪梅の指が動くのと同じように腰をくねらせて、指と同じように身体を震わせていた。 「ん~イイ子だ。どう気持ちイイ?」 モノ足りないのは解っている。解っているけど、雪梅にそういわれるとそんな気がしてくる。 口端からよだれを垂らして、気持ちイイとよがりまくった。ゆるゆると腰をうねらせて、僕ははしたなくもこう懇願している。 「…………ちぃい…………、………ってぃい………?」 頭の中は雪梅のちんちんで気持ちよくされたいとのた打ち廻っているのに、僕の身体は印綬と雪梅の指だけで気持ちよくイこうとしていた。 「ああ、イイよ。指をもう二本増やそうか?」 雪梅はそういって、中指だけで僕の中にある印綬をかき廻し続ける。だが、僕はその言葉で呆気なくイッてしまったようだ。そう、僕はいっ気に増えた雪梅の指のことを想像して、その三本の指が僕の中をぐちゅぐちゅとかき廻しているところを想像しただけで、身体が大きく反応してしまっていたのだ。 「ふふっ、れいは本当に淫乱だね。私の言葉だけでイっちゃったの?」 僕はこくこくと頷いて、またイキ続けている僕の中をかき廻している雪梅の指と印綬を絞めあげる。だけど、僕の身体は早く雪梅を欲しているのに、ソレだけで気持ちイイと雪梅にいっているようで物凄く嫌だった。 「………しぃ、………っか、……………しぃい!」 「ああ、そうだったね」 雪梅はそう笑うと、僕の中にもう二本指を突っ込んでゆるゆると掻き廻し始めた。もどかしく動いていた印綬が生き物ように息を吹き込まれたように生き生きと動きだす。 「…………はっ!!!………………っんん!!!」 「ふっふ、またイッたの?でも、今度は私の指に反応したみたいだね?」 雪梅の口端が僅かにあがって、僕の身体が大きく震えた。そう思ったとたん、青臭く白濁したモノが床に溢れ落ちる。 「へぇー、こっちでもイッちゃうくらい気持ちよかったの?でも、れいはこっちでイクの物凄く嫌いだったでしょう?」 「………ち、ぁう!…………」 「なにが違うの?ん?こっちでイッたことにかい?ソレとも、こっちでイク方が気持ちイイってことにかい?」 雪梅はそういうと、僕のちんちんを握り潰すような強い力で握り締めた。 「ぁ"あああああああああああ"!!」 「大丈夫でしょう?睾丸を握り潰したワケじゃないんだから。そんな声あげて痛がらないでよ?」 雪梅は可笑しそうに笑うと、僕の中から指をぜんぶ引き抜いて、床に溢れ落ちた精液を掬いとる。ソレから、ソレを僕の口にねじ込んできた。 「ところで、れい?れいの精液はなんでこんなにも青臭くって苦い味がするんだろうね?」 僕にはソレが不愉快だといっているように聞こえてしまい、僕は僕の耳を塞いだ。口の中に広がる苦くって青臭く味がさらに僕の心を砕いた。 「だが、私は好きだよ。この青臭くって苦い味がれいのだって思うと。愛しく思えて甘美な味だとも思えてくるんだ」 雪梅はそういって僕の唇にキスを落として、床に溢れ落ちた僕の精液をまた指で掬いあげた。ソレを今度は自分の口に含んで、床で這いつくばっていた僕の身体を引き寄せると僕の唇を塞ぐ。青臭く苦い味が口いっぱいに広がって不快感しかないのに、僕は雪梅の首に腕を廻すと深くソレを求めるように雪梅の口内に舌を差し入れていた。 「う~ん堪らない。さぁおいで。そして、この私をうーんと楽しませておくれ」 れいと、僕の名前を呼ぶ雪梅に僕は跨がってゆっくりと雪梅のモノを呑み込んだ。印綬はまだ僕の中にあるけど、雪梅はおかまいなくずこずこと僕を突きあげて始めていた。僕も僕でようやく欲しかったモノが与えられて、ソレに夢中になっていたせいであの印綬が媚薬でできたレプリカで、溶けてなくなってしまうモノだったとは知るよしもなかった。  

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