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  「あっ!!なに、どさくさに紛れて私の艷黎にキスしてんだい!」 離れなさいと後ろからついてくる藤梅に、僕はベーと舌をだした。そして。 「雪梅、愛してる」 そういって、雪梅の耳朶を噛んだ。キスをさせてくれないんならと、僕は耳の中に舌を這わせてソコにチューとキスをする。そしたら、急に僕の身体を壁に押しつけてきた。 「れい、ソレ、犯則だよ………」 雪梅は情けない顔をして、「自制がきかなくなったでしょう」と、僕の唇を塞いで舌もいれてきた。んっと鼻から抜ける声とともに、僕も雪梅の上半身に脚を絡めつける。藤梅にみせつけてやるつもりでもあるが、実際はやっと欲しかったモノが貰えてもう周りがみえていなかったこともある。 「………っか、………もっと…………」 気持ちイイと舌を差し入れたら、ソレをねっとりと絡めとられて、強く吸われる。甘い吐息も甘い舌も堪らない。雪梅のすべてが欲しくって欲しく堪らなく、涙が溢れ落ちる。 「好き、大っ好き。愛してる、雪梅」 僕から離れないで僕だけをみてと、僕はなん度もそういって雪梅を求め続けた。歯茎や歯列をなどる雪梅の熱い甘い舌がもどかしい。上顎や下顎を舐めとられるのも物凄くもどかしくって堪らない。絡みつけようとする舌を転がすように撫でられたら、声がうわずってキスだけじゃ足りなくなる。 「………っか、……………しよう………」 誘うように僕が腰を揺らせば、藤梅が雪梅の肩を掴み雪梅を殴ろうとする。怒りに満ち溢れたその顔が僕の視界に入ったとたん、雪梅ではなく藤梅の方が廊下に崩れ落ちた。 「ちょっと、藤梅ちゃん、なにやってんの?ヤボなことはおよしなさいよ」 そういう声が聞こえたと思ったら、「ほら、兄貴が待ってる。控え室にいくよ」と雪梅や藤梅よりも大きな影がむわんと現れて、廊下に崩れ落ちた藤梅を担いでつれいった。ソレは遅刻してくるといっていた劉梅と水梅で、僕はキョトンとする。いつもならラフな格好なのに、今日はふたりとも正装でびっしっときまっていたからだ。そんな巨体の劉梅に担がれた藤梅は当然暴れまくっていたが、「また水ちゃんに投げ飛ばされたいの?」といわれると大人しくするほかならない。なんせ、藤梅はいち度も水梅に勝ったためしがないのだ。 「雪梅ちゃん、黎ちゃんも、もう直ぐ始まるようだからさっさと済ませちゃいなさいね」 藤梅を投げ飛ばした水梅はもうアンアンとおっ始めている僕たちにそういって、「結羽ちゃんはあたしといっ緒にいきましょう。劉梅ちゃんが藤梅ちゃんつれていったから、もうお邪魔虫なのはあたしたちだけよ」と結羽の手を掴んでつれていく。ああだこうだと口うるさい雷梅と違って、水梅はこうやって僕たちをふたりきりにさせてくれるから、僕は彼女のことが好きだった。 そう、僕と雪梅が劉梅と水梅のこのふたりと仲良くできているのは、こうやって藤梅の魔の手から僕と雪梅を守ってくれるからだろう。ふたりは末っ子の雪梅が可愛くって仕方がないらしい。が。 「結羽ちゃん、雪梅ちゃんと黎ちゃんの新作がでたっていっていたけど、もうみた?」 水梅はそういって、結羽に執事長が趣味にしているホームビデオ(ハメ撮り)の話をしだす。今回は前回と違ってかなりエグいらしいわと、物凄く鼻息を荒くしているのは頂けない。結羽も結羽でにこやかにこう応えているし。 「ああ、母さまを吊るしあげて、父さまが母さまを苛めるアレのこと?凄く母さまが哭いて父さまが物凄く興奮していたよ」 と。 すると、こうしてなんかいられないわと握り拳を握りしめる水梅は、「えっ!そうなの?じゃ、さっそく鑑賞用と保存用と拡散用を準備してもらわないと♪」と、結羽を担ぎあげるとスカートの裾を捲りあげて、猛スピードで執事長のもとへ走っていってしまった。 「…………っか、………僕たちのビデオってどこまで拡散していってんのかな?」 「さあ、全世界とはいわないがある程度の知名度にはなってるんじゃないのかい?」 この前、ファンですっていう若いカップルにサインを強要されたからねと、呑気なことをいう。僕はそうなんだと溜め息を漏らすが、壁に押しつけた格好のまま両足を担ぎあげた格好で侵入させてくる雪梅を止めようとはしなかった。そして。 「れい、私の肩に脚をかけなさい」 そういわれて、僕は雪梅の肩に脚を引っかけてゆっくりと雪梅のモノを呑み込んだ。 「んっ!!…………ちぃい………!!」 ゆるゆると動きだす僕の腰に、雪梅もあわせて腰を突きあげてくる。ぐちゅぐちゅと腸の中を掻き廻される音が耳に入ってきて、さらに興奮してくる。ココが廊下で誰もが通る場所だから声はなるべく押し殺そうとするのだけど、僕の口からはイヤらしい声が漏れていた。 さて、そのいち時間後、ようやく天夢と雷梅の結婚式が執り行われて、デザートの西瓜がでてきたとたんにアレほどいた親族はいっ斉に解散していったとはいわない。しかも、新郎新婦がお礼の挨拶を廻っている最中だというのにも関わらず。水梅と劉梅と藤梅はさすがに残っていたが、父様までもがさっさと帰ってしまったことには驚く。が、しかし、ちゃかりと飴と煙草をたんまりと持って帰っていたとはいわない。執事長は執事長で、昨日、大がかりで撮った天夢と雷梅のプロモーションビデオを編集するのにてんてこまいらしい。 そういえば僕のときもこんな感じだったなと、未だに慣れない張家の結婚式に苦笑いする。 「ん?気分が優れない?」 近くにいた雪梅が、僕の顔色が悪いのに直ぐに気がつく。  

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