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漆
朝早くから、仁王立ちの執事長に起こされるまで僕たちは夢の中だった。
「あの、この惨劇はなんなのですか?」
そう苦情をいう執事長は僕たちのあられもない姿にではなく、ホームビデオに映し出された劉梅と藤梅とのアーンに眉根を潜めていた。
「ん?みたまんまでしょう?」
でだしの僕の発言からそうだと判断して間違いがないハズなのにと、僕は首を傾げる。だが、雪梅がその先の映像をみて、納得をしていた。葬られていたのが、藤梅ではなく劉梅だと判明したからだ。
「兄さんたち、こういう性癖あったんだ」
雪梅はそう感心していたが、僕はどうでもイイとあのビリビリバイブで昇天している劉梅の姿に目もくれなかった。かといって、藤梅だったとしても僕は同じ態度だったと思う。
僕はベッドから起きあがって、雪梅に抱っこと諸手を差しだす。もうすぐ出発の時間だ。出発の前に天夢や雷梅にも挨拶したいし、雪梅の精液でベタベタの身体も綺麗にしたい。
雪梅は執事長にホームビデオを返して、僕を抱きあげる。執事長は僕になにかいいたそうだったが、出発の時間に遅れたら、天夢にどやされると思って口を紡いだ。そんな執事長に雪梅はビデオデッキの方に視線を向けて、散らかったビデオの後片づけを頼んでいた。ソコに雪梅が隠し持っていたもうひとつのホームビデオがあるとは知らない僕は、雪梅に抱っこされてバスルーム向かっていた。
だが、突然、噴火の如く鼻血を噴きだす執事長に僕はどうしたの?と首を傾げる。が、僕を抱きあげている雪梅がなんでもないよと僕にキスをしてくるから、僕はソレを必死に受け止めることに専念することになる。相変わらず、甘くて熱い舌に僕はめろめろで、雪梅、お風呂でしよう♪と熱烈に雪梅を誘っていた。
その間、執事長はもろ素の僕のエロさに悩殺されていたというのは知るよしもなかった。雪梅とふたりきりのときは飛びっきりエロいらしい。
そんな僕は雪梅とお風呂でアンアン宜しく、ちゃぷちゃぷと水音を立てて、湯船に張ったお湯の中で激しく腰を振っていた。
「ふふっ、相変わらず、れいは気持ちイイことが好きだね♪」
「はぁ、………んんっ、……っか!」
「ああ、ハイハイ。ゴメンよ。こうかい?」
突きあげる角度を変えて、突きあげてくる速度もゆっくりと大きく旋回する動きに変える雪梅は、僕の気持ちイイところを丹念に擦りあげた。僕は背中を大きく反らして、もっと深く雪梅を呑み込もうとする。そうするのは、雪梅のモノがで入りするたびに僕の中にお湯が入ってきて、ずこずことそのお湯がかき廻されるのが気持ちイイからだ。
「………っんんん♪………しょこ♪」
「ああ、れい、そんなに反ったら顔がお湯に沈んじゃうって」
雪梅が慌てて僕の背中に腕を廻して支えるのは、いち度水死しそうになったからだろう。お風呂ではよくあることらしいが、こんなことで大事なパートナーを亡くしたくない雪梅はもう必死だ。
「や!!………ぇなぃで!!」
「ダメだって。ちょ、れい!!」
そんな雪梅は慌てて僕を抱えあげて湯船からでようとするから、僕は暴れる。
「や!!………や!!……………やぁ!!!」
「ああ、もう解ったから、暴れないで」
湯船の淵に腰かけて雪梅は、いまにも癇癪をあげそうな僕にキスをしてくる。僕は雪梅の甘くって熱い舌に翻弄されて、暴れるのを止めた。そして、雪梅の舌に吸いつくともう雪梅のいいなりだ。
「んっ!っはぁ!れい、イイ子。ほら、昨日やった櫓立ちしようか?」
俗には駅弁という体位らしいソレは物凄く気持ちよかったから、僕は頷いた。雪梅ははもういち度僕の身体を持ちあげて、湯船からでる。流れるような滞りない動きで僕の身体を洗い場の壁に軽々と押しつけると、僕の脚を持ちあげた。こうふうに脚を持ちあげた方が僕にかかる負担が減るらしいのだが、雪梅のモノが深く挿入される。だから、僕は雪梅にされたい放題になってしまうようだ。
「ほら、ゆっくりと動かしてあげるから、私を存分に味わって」
再びそう僕にキスをしてくる雪梅は男らしく、僕はもうなにも考えられなかった。
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