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拾参
「え?セバス?」
最初は執事長のそっくりさんだと思っていたが、本物の執事長だった。
「あ、セバス、もう鼻血は大丈夫なのかい?」
僕を抱き抱えている雪梅がそういって、天夢からいちミリたりとも離れようとしない雷梅も「清、俺には雪梅たちの監督は無理だよ」と、雷梅らしくない弱音を吐いていた。たぶんもう、天夢の身体に骨抜きにされているからだろう。そして。
「ねぇ、天夢くん、今日はもう移動で疲れたでしょう。宿泊のホテルでまったりとしないかい?」
観光やショッピングは明日にしようというからにはもういっ戦しようってことだろう。
僕は頬を膨らまさせた。僕たちにはアレほど自重しなさいっていっていたのに、と。だが、そんな僕に天夢が、「もう足腰が立たないんだよ」と世界記録保持者が持つ二十四時間で五十七人を抱いたというあの記録は至難のワザだというのだ。
しかしながら、四六時中僕のことを抱いている雪梅はどうなるんだろう?と彼をみた。すると。
「大丈夫だよ。私の皮はそう簡単に擦れたり破れやしないから」
雪梅は自信たっぷりにそう応える。僕は雪梅のちんちんの心配ではなく、雪梅の足腰のことを心配していたから、吃驚した顔をして叫んだ。
「え!ちんちんって、使いすぎると皮が裂けちゃったりするの!」
ソレはもう驚くほど大きい声だったから、到着ロビーいっぱいに広がった。すると、雷梅に「声が大きいよ、黎くん!」と叱られる。というか、アレはがなられたといった方がイイだろう。
「ゴ、ゴメン……」
そう謝りつつも、僕は雷梅のちんちんの皮が大変なことになっていることに気がつくのだ。そして、擦られる側より擦る側が先に悲鳴をあげたら、天夢の欲求は満足に至っているのだろうか、と物凄く天夢のことが心配になった。だから。
「天夢、僕の自慰グッズを貸してあげようか?」
そういうと、天夢ではなく雷梅でもなく、雪梅が物凄く怖い顔でこう応えるのだ。
「ふーん、れい、ソレって私のモノでは満足できてないってこと?」
と。そして、ソレはもう不機嫌ですを通り越して怒っているという声で。だが。
「へ?どうしてそうなるの?」
僕はキョトンとした顔で 「ほら、この前の僕の誕生日に水梅がわざわざ贈ってきてくれたヤツだよ」と応える。
「水梅がせっかくくれたのに、いち度も使わなかったっていったら可愛そうかなと思っただけだよ」
そういうワケだから、僕も悪気があっていったつもりがなかったから、雪梅は物凄く忘れていたという顔で「ゴメン、私の早とちりだった」と僕に謝ってきた。そんな雪梅に「イイよ、許してあげる」と応じて、こうもつけ足した。
「だって、雪梅のちんちん物凄く気持ちイイから天夢にも気持ちよくなって欲しいもん」
と。そして、その自慰グッズがぜんぶ雪梅のちんちんを型どったモノだとバレてしまう。ソレを知った雷梅はもう激怒だった。俺のモノならまだしも、なんで雪梅のモノを天夢くんの中に突っ込まないといけないんだ!と。
「そうだよね。だったら、雷梅のちんちんで作ったモノならイイでしょう?」
僕がそう折れて、ちんちんの型を取らせてと頼むと雷梅ではなく、天夢が止めにはいった。
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