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拾肆

  「母さま、大丈夫だよ。僕は雷梅といっ緒にいられるだけで幸せだから」 でも、孫の顔は早くみたいと思うから子作りだけはちゃんと頑張るよと、笑う天夢の言葉に僕の心が凍りつく。ざわざわと解らないなにか黒いモノが心の奥でざわめいて、形のない不安だけが物凄く大きく脹れあがった。 「ねぇ、天夢、雷梅のおちんちんって、ちゃんと機能してんの?」 勃起しているじゃなく、たぶんこの場合は精子を生成しているか否かだろう。致命的なことにどうして気がついてあげられなかったんだと、僕が再び口を開いたら天夢が僕の唇に人差し指を押し当てた。 「母さま、そんなことはないよ。大丈夫、問題があるのは僕の方だから」 まだちゃんと卵巣が成熟してないんだと告白する天夢に、雷梅までがこう口を挟む。 「オメガは成熟が遅いんだ」 と。そう、オメガは成人(十五歳)してもアルファやベータみたいに身体が同時に成熟しないらしい。そういや、僕も成人しても成熟していなかった。 「だから、天夢くんに負担かけないように素股して貰ってんの!」 もう恥ずかしいと顔を伏せる雷梅に、僕は呆気に取られてしまった。てっきり、雷梅のモノをくわえ込んでいたと思っていた僕は天夢をみる。 「う~んとねぇ、雷梅のおちんちん物凄く馬鹿デカいから、僕の中に半分くらいしか入んないんだ。初夜のとき無理やり捩じ込んだら裂けちゃって、ソレ以来雷梅僕の中に入れてくれないんだよ」 天夢が遠い目をして、「雷梅の指だけだったらなん度もイカされているんだけど、雷梅のモノでイったことってないんだよね」と、さらなる衝撃な告白に僕の心がポッキと折れてしまう。 「……天夢、雷梅のそんなに大きいの……?」 「うん、父さまのモノよりもいくぶん大きいよ。アレはそうとう慣らすか、僕が受け入れられる身体に成長しない限りぜんぶは入んないと思う」 天夢はそういって、「母さま、心配してくれてありがとう」ともいうのだが、僕は心が折れて立ち直れなかった。 そんな僕に雪梅は「私のおちんちんが、兄さんよりも小さいことがそんなに不満なのかい?」と物凄く悲しい顔をするから、「だって、天夢、物凄く気持ちよくアンアン哭いてたから、僕といっ緒でおちんちんでパコパコされるの物凄く好きなんだと思ってたのに、雷梅の指だけでイカされてたなんて」と半泣きになる。 そして、せっかのおちんちんしゅき♪っていいながら哭いていたことを思いだすと、ますます恥ずかしくなって哀しくなった。 「僕、物凄く淫乱だ」 そういって、僕はあまりの恥ずかしさに雪梅の胸板に顔を押し当ててふだらな僕を隠した。すると、雪梅は物凄く羞恥する僕のことが物凄く可愛いとかいって、いっ気にご機嫌になっていた。  

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