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拾漆

  「れい、どうだった?気持ちよかった?」 ようやく覚醒しだした頭と心に雪梅の声が届いてきた。ゆるゆるとまだ僕の中をかき混ぜているディルドは健在で、僕は身体をなん度もなん度も震わせていた。雪梅と声をあげたいのに声がでない。そのもどかしさからまた身体が震える。 「もうずっとアレからイキっぱなしなんだけど、大丈夫?」 僕はうつらうつらと頷いて、言葉の代わりに雪梅に抱きついた。人形が着るような愛らしい服を着せられて、その下では僕の身体を翻弄する玩具がいっぱいつけられているのだから仕方がない。 「ん?まだしたいの?れいは本当に淫乱で、愛らしいね♪」 雪梅は僕を抱きしめるとチュッと僕の額にキスを落とす。僕の履いてあるスカートを捲りあげるとディルドを引き抜いて、今後は雪梅のモノだけをゆっくりと僕の中に沈めてくる。同時に、上の服も捲りあげると乳首についていた小型ローターも外した。 雪梅は赤く腫れ上がった乳首に躊躇なく舌を這わせて、かぶりつく。犬歯の尖った歯で乳首を食い千切るように噛みつかれるから、僕は雪梅の頭にしがみついた。 「………………──────っ!!」 ふるふると震わせる身体から、なん度もなん度も声にならない声が漏れる。ソレが僕の声だと解るまで数秒かかった。 「れい、ちょ、気持ちイイからって暴れないで」 ダメだってといわれたら、やっと帰ってきた理性はもうあられのない方向に走り抜けていく。プツリと切れた理性の糸が聞こえたように、雪梅はなにかを叫んでいたが、僕はヘラヘラと薄ら嗤うと雪梅の身体を押し倒していた。ソレと同時に勢いよく雪梅を襲って、雪梅がもう無理だというのに僕は無理やり雪梅を犯して、僕が気持ちよく満足するまでヤりまくったとはいわない。 そして、完全にグロッキーしてしまった雪梅を執事長が担いで、そのあとを雪梅と枷と首輪と鎖で繋がっている僕が泣きじゃくりながら、とぼとぼと歩いてついていったともいわない。 「大丈夫です。ちょっとヤり過ぎて、引きつけ痙攣を起こしただけですから」 執事長はそういって、ピクリとも動かなくなった雪梅がどうしてグロッキーしてしまったのかをたんたんと僕に説明をするが、僕はセックスをヤり過ぎると死んでしまうとは知らなかったから、さらに泣きだしていた。そんな僕をみて執事長は雪梅を担いだまま困り果ていて、早く雪梅が復活してくれないかと心の底から願っていたようである。  

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