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弐拾参
そう、コレは雪梅にではなく、絶対に僕用に用意されたモノだと察したからだ。
「雪梅、僕………」
尿瓶ではしたくないという前に、もう雪梅に下着を脱がされていた。結羽なんかはもう目をらんらんに輝かせて、ホームビデオを構えている。なんなのこのふたりは!!と目くじらを立てた矢先、雪梅に僕のちんちんを掴まれる。ほら、遠慮しないでともう本当に嬉しそうに満面な笑みまで携えた雪梅を目の前にしたら、僕は腹を括るしかない。
「………………」
無言の圧力のあと、僕は顔を真っ赤にしながらチョロチョロとおしっこを尿瓶の中にした。結羽はそんな僕に「可愛いよ、母さま♪もっとこっちみて」と僕を羞恥の底に追いたてる。
雪梅も雪梅で、「ああ、れいのおしっこのにおいがする♪」と尿瓶から漂う尿素のにおいに心をときめかせていた。そして。
「………………………っ!!!」
僕はじとっと雪梅をみて、尿瓶に口をつけようとする彼を止める。
「なに、飲もうとしてんの?」
精液ならまだしも、おしっこを飲むっていうのは物凄くいただけないだろう。僕は尿瓶を掴んで雪梅の行動を止めた。すると、結羽が物凄く怖い顔をして僕にこういうのだ。
「母さま、ソレはおしっこじゃないよ。甘い蜜の味がするとても美味しい飲み物だよ」
と。いやいや、結羽、いましがたそのホームビデオで撮っていたモノはなんですか?僕のおしっこ映像ではないのですか?
そう僕は結羽にいいたかったが、結羽は「さあ、父さま、ぐいっといって」という顔で尿瓶を雪梅に押しつけるから、僕はソレをおしっこだと否定できなくなってしまった。結羽のこの目は逆らわない方がイイと本能的にではなく、雪梅自身に教えられたことだから僕は口を紡ぐ。
そして、なによりも結羽は僕の可愛い息子だ。そんな結羽に残念な顔をされたくなかったという理由がいち番大きいかもしれない。雪梅には悪いと思うけどと、僕は横目でちらりと雪梅をみれば雪梅はとても嬉しそうに僕のおしっこを飲んでいた。
ああ、飲むんだ。そんなに嬉しそうな顔をして。僕は心底、イケメンが台無しだと思っても、自分のおしっこを飲む雪梅の姿が物凄く格好よくみえてしまって物凄く死にそうだった。
雪梅の大きな喉仏が、ごくごくと僕のおしっこを飲むたびに動く。いやらしそうに僕の横顔を横目でちらりとみる雪梅の姿も、格好よすぎる。ぞわぞわと背筋あたりが蠢いて、僕は小さく身震いをした。
「なに?れい、私がれいのおしっこを飲んでる姿みて、いっちゃったの?」
意地悪そうな顔でそういう雪梅は、飲んでいるモノが僕のおしっこだと認識しているようだった。ソレを思うと、なおさら身体の奥からぞわぞわと疼くなにかがざわめきだす。
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