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肆拾伍

  「ねぇ、雪梅、僕はだれのモノだけ?」 要らないと僕自身が棄てた僕を拾った雪梅に、僕は艶麗にそう訊く。そんな雪梅は藤梅にいい聞かせるようにゆっくりと口を開いた。 「ん?知りたいのかい?」 「うん、知りたい。僕はだれのモノ?」 僕はもういち度そういってゆっくりと雪梅の唇に舌を這わせると、藤梅には愛しそうな眼差しを撫でるように送る。ソレは、ちゃんと聞きなさいという暗黙の元で。 「ん、解った。じゃ、教えてあげる。れいは私のモノだよ。魂も身体もぜんぶ、私だけのモノだ」 「あ〰あ、う~ん、そうだったね。僕は要らないってぜんぶ雪梅にあげたモノね」 ああ、らぁめ気持ちイイ。僕が望んでいた奥を触れられて僕は声をあげる。堪らないと腰を振って、早く僕をとろとろにしてと懇願した。だけど、雪梅は僕を焦らしてこういうのだ。 「ほら、れい、もっと私に訊くべきことがあるでしょう?」 と。涙を溜めた目尻を親指の腹で撫でられて、僕は意地悪な雪梅に翻弄させられる。 「──………ぁはっ、雪梅、ほじぃ。お願ぃじさぁらないで」 「だぁめ♪ちゃんと訊いて?」 もどかしい指の動きに僕は首を振った。僕が訊かない限りこのもどかしい動きのままなんだろう。雪梅の目尻が下がって、僕は口を開く。 「────どぉう………?僕、のす、てを手に入った気分は……………っ?」 途切れ途切れだがそう雪梅に訊くと、雪梅はもう最高の気分だよと僕の這わせていた舌に吸いつく。すると、ようやく息を吹き返した藤梅が顔を真っ赤にしてがなり返した。 『雪梅、黙りなさい!!ソレに、冗談でもいい加減なことをいわないでおくれ、艷黎!』 と。僕は雪梅に視線を抜けたままスマホに映る藤梅にこういうのだ。 「ふっか、僕が犯されてるとこ、みぃて?きちよく哭かされて、ずこずこされてんとこ」 「もう、れいは淫乱だね。だけど、れいを犯しているのは兄さんの方だよ。私とは合意だ。だから、ちゃんと訂正して」 「───っん!───っはぁ、ひ、ないで!──っかたから!」 中に突っ込まれた三本の指で大きく肛門を広げられたら、頭がくらくらする。我慢していた理性がいっ気に吹っ飛んで、「ふ、か!僕をぉかさないで!っか、僕をだぁて!!」 「れい、イイ子、ほら、ゆっくりと呑み込んで」 そういう雪梅に頷いて、僕は雪梅のモノをゆっくりと呑み込む。そのいち部始終をみせられている藤梅はもう怒りのあまり泣きだしていた。あとはもういわなくても解ると思うけど、藤梅がそんなふうに憤怒している姿を眺めみながら、僕は雪梅に気持ちよく哭かされてぐずぐずにされていたことは。  

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