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肆拾漆

  「ふっふ、れい、ダメだよ。ちゃんと中を絞めつけないと。ほら、抜けちゃうよ?私のおちんちんを離さないって強張らないといけないんでしょう?」 そういわれても抜けた腰では、踏ん張ることも食い縛ることもできない。 「むぅりゅ、っか、ぬけたぁう!」 いや、僕を嫌わないで!愛想を尽かさないで!と泣きわめく僕に、雪梅は物凄く涼しい顔で止めようともせずに強行突破するのだ。しかも、僕がこんなにも必死になって頼んでいるのに、雪梅は「れい、頑張って踏ん張ってよ」というのである。だから、おちんちんがポロリと抜け落ちてしまっても踏ん張りきれなかった僕のセイなのだ。 「ああ、最高だよ。きゅうきゅうって物凄く私のおちんちんを絞めつけてるよ」 れいは本当に、素晴らしいと雪梅は僕のことを絶賛するけど、僕はもう限界だった。 「ぁん!っけちゃう!」 いやいやと首を振るけど、雪梅はもうちょっと我慢してと僕の前髪をかきあげる。キスをしてくるのではないから、僕は嫌な予感がした。 案の定、ソレは現実となって僕を襲う。雪梅のおちんちんが大きく膨らんだと思ったら、とばっと腹の中が熱くなった。 「はぁ!っか、らぁめ!」 ださないでといってももう遅い。注ぎ込まれる精液に僕は首を大きく振った。 「────っ!!!」 そう、精液が潤滑油になって、雪梅のおちんちんが抜け落ちてしまいそうになるのだ。せっかく踏ん張ってもこの大量の精液にはなす術がなかった。 なす術がなかったのに、ガツガツと雪梅に掘られても雪梅のおちんちんが抜ける気配がない。なんでと不思議そうな顔をすると、雪梅がいまさらなにをいってんの?という顔をするから、僕は真剣に首を傾げた。 「なに?れいは私のおちんちんが杭のようになって抜け落ちないようになること知らないのかい?」 雪梅もまた驚いた顔でそう訊いてくるから、僕はなに、ソレ?と目蓋を瞬きをさせた。雪梅曰く、アルファの特徴らしい。子孫を確実に残す仕組みらしいのだけど、そういうことはもう少し早く教えて欲しかった。僕は雪梅のおちんちんが抜けないように必死に食い縛っていたというのに、そういう機能が備わっているんならそう踏ん張る必要がない。 「しらにぁいよ!」 「───って!!急にマグロにならないでよ」 疲れたと全身から力を抜いてなすがままの状態に移行したら、こん度は雪梅の方がわめきだす。なんでそんなにわめくかっていうと、僕は愛するよりも愛される方がねちっこいから。つまるところ、雪梅にお任せしたら通常の倍以上のセックスでないと満足しないのだ。 だけど、雪梅はどっかのだれかさんと違って、僕のことを地の果てまで追いかけくれる根からのつきまとい者だから、最後の最後まで僕の我が儘につき合ってくれる。そんな雪梅のことを僕はなん度もなん度も惚れ直してしまうから、もう絶対に手離せなくなっているのだ。 運命の人?そういう可愛いモノではない。星の下で決められた相手ではなくとも僕は雪梅のことを選ぶし、万がいち、億がいち、雪梅が僕のことを見切ったりしても僕は雪梅の心臓を引き裂いてソコに僕の心臓を植えつける。そして、いっ生僕から逃れられないようにするだろう。 「ねぇ、雪梅、僕のことをいっときでも手離したりしたらいっ生許さないから」 僕は雪梅を置いて死ぬからねといって、僕は雪梅のことを脅迫する。ソレなのに、雪梅は物凄く幸せそうな顔をするのだ。 「ふっふ、解ってるよ。だけど、私もいっ生れいのことを逃さないから、覚悟して。もし少しでも逃げるようなことをしたら、二度私から逃げようなんて考えられなくなるまで気持ちよく哭かしまくって身も心もすべて躾直してあげるから、よーく覚えて置いて」 れい、愛してる。そういう雪梅は急に火が点いたように身体が熱くなる。に度目の射精が始まったのだろう。片や、僕も身体の奥から熱が帯びていた。ソレがなんだか解っているんだけど、僕は止めることができなかった。 「─────んんっ!!らぁめ!!」 身体が弾くようにのたうち廻る。のたうち廻ってもソレはまったく回避することができず、僕は大きく身体を跳ねて透明な液体をおちんちんから勢いよく噴きだした。 「ちょっと、れい、待って!!」 雪梅はそういうけど、もう遅い。どばどばと潮を噴く僕はなん度もイキまくった。愛されるは愛するよりも気持ちイイ。 「………っか、……っんそく、もう、んできぁい…」 視界がくらくらしているのは、余韻がまったく拡散しないからだろう。ずくずくと擦られる肉壁がもろに感覚として伝わってくる。 雪梅は「あ、ゴメン。スイッチ入っちゃったみたいだけど、動かないで」といって、のたうち廻っている僕は簡単に拘束されてしまった。ソレでもなん度もイキまくって、雪梅のおちんちんが気持ちイイと僕は暴れまくった。 さて、その頃。結羽はというと、曾祖父と観光にいっていたようなのである。物凄くご機嫌で帰ってきたところで、僕のふしだらな姿に曾祖父とともに目を輝かせていたとはいわない。 第に部─END─  

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