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  「すまぬ、孫。許してたもれ。わしもこうやって深く反省しておるんじゃ」 だから、なぁなぁと可愛く目配せをしているんだけど、曾祖父の粗チンがビンビンに立っていては釈明の余地もない。だが。 「解りました、じい様。しばらくの間ソコで反省していてください」 そのあられもない粗チンが立たないくらい恐怖と快楽に支配されるまではと、雷梅がいう。そういうのは、赤ちゃんを引き取りにきた母親と曾祖父の対峙を避けたいからだ。つまるところ、曾祖父はいま飛鼠の姿をしているのだ。昼間は人間の姿をしているのだけど、夜になると飛鼠の姿に戻ってしまうのであった。 こんなご時世、なにがあっても驚かないだろうと思うけど、さすがに飛鼠が元姿だという吸血鬼は物凄く珍しい。珍しいから保護対象にでもなってしまったら、張家の家長がいなくなってしまう。そうなればまた雷梅に張家の家長が戻ってしまうから、雷梅はどうしてもソレを防ぎたかった。 そう、天夢との結婚の約束事には天夢に嫁ぐという条件も含まれていたからだ。せっかくココまで漕ぎつけたのに、振りだしに戻っては意味がない。いいや、ソレ以上にことは重大になる。この数年前から離婚の概念が少し変わってきたのだ。 取っ組みあいの喧嘩をする夫婦が増えてきたからである。こういうやむおえない事情がある場合の救済方法として特例がでてきたのだ。だから、いち度結婚をしたらいっ生離婚ができないということはなくなってしまったのある。 お互いの理念が満たされなければ離婚ができるという特約がついたせいで、雷梅は物凄く必死なのである。そして、離婚が成立したら同じ人との再婚は認められないという特約も追加されていた。 「天夢くん、結羽くん、悪いけど、そういうことだからもう少しだけじい様の相手をしていてくれないかい?」 「いいけど、またあの人に逢うの?」 そう不満に結羽が思うのは、天夢のためだろう。気の強い天夢だけど、雷梅には物腰が低いから心配なのである。セックスも恋愛も、結婚生活も手綱を掴んだ方が勝ちだと知っているから。僕もそうだと思う。雷梅もそう思ったのだろう。 「大丈夫だよ。ちゃんと節度は守るから」 赤ちゃんのお母さんもだいぶ落ちついたようだしと応えて、天夢には「俺が愛しているのは天夢くんだけだから」といって横髪を撫でていた。雪梅もそうだけど、張家の人間はこういう愛惜しいという言葉を平気な顔で口にする。恥ずかしいという概念を持ち合わせていないようなのだ。 「解っているよ。僕も雷梅のことを愛してるし、ちゃんと信用してるから」 早く帰ってきてと天夢はそういうと横髪を撫でていた雷梅の手を掴んで、その甲にキスを落とす。独占欲でも敬愛でもないソレは、純粋に雷梅への信頼を意味している。言葉だけではなく行動でそう示したのは、たぶん天夢の横でやきもきしている結羽のためであるのだろう。 「ありがとう、天夢くん♪」 そういって、嬉しそうな顔の雷梅も天夢の手の甲にキスを落とした。雷梅の場合は誘惑だろう。コレが終わったら愛し合おうという。  

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