104 / 109

  「兄さん、馬鹿な考えをコレ以上持たないでくれません?」 身体を反転して、僕から藤梅を遠ざけると雪梅は物凄く呆れた顔をした。そして。 「ほら、れいにフラれたんですから、ウンデルのところにでも帰ったらどうです?」 冷たくあしらうと僕にはこういうのだ。 「ふっふ、れい、私の株はうなぎ登りでしょう♪でも、惚れ直して鼻血を噴かないようにしないといけないよ」 いまからそんな私に気持ちよくアンアンと哭かされるんだからね♪と。僕はきょとんとした顔で、今朝のことを知っている素振りの雪梅に、アレ、嫉妬しないの?と瞬きをする。 「ん?だって、れいは私をわざと嫉妬させてねちっこくおちんちんで、ココをかき廻されて物凄く気持ちよく哭かされたいだけでしょう?」 「うん、そうだよ。だけど、ソレとコレとは話が違うでしょう?」 僕が物凄く不思議がっていたら、雪梅は気がついてないの?と僕に問う。なにを?と僕が首を傾げたら執事長が先に気がつく。 「あっ、藤梅様のことをお義兄さん呼びになられていますね!」 「………?」 そうだっけ?とさらに首を傾げたら、藤梅が物凄く青い顔になっていた。僕にとりつくことばかり考えていて、彼も気がついていなかったようなのだ。つまるところ、雪梅はもう僕が藤梅のことを見切ったと察知しているようなのである。 「そういうこと。だから、私が兄さんに嫉妬する必要はないでしょう?」 確かにそうだと僕は頷いて、そして、今朝から機嫌がイイ本当の理由を知るのだった。 「藤梅、いままでずっと嫌いっていってゴメン。僕さ、本気は物凄く藤梅のこと好きだったんだ。だけどね、ソレ以上に雪梅のことが好きだから、そんな雪梅と天秤にかけてゴメンね」 もうしないから、仲直りのハグをしようと僕は雪梅の首から腕を引き離して、放心状態の藤梅に抱きつく。ぞわっとする悪寒もなく、劉梅や水梅みたいに穏やかな気持ちになる。 「ああ、やっぱりドキドキしない。ソレに、電気が身体中に駆け巡るような衝撃もないや」 コレはもう完全に恋愛感情は消えちゃったね♪と僕は嬉しそうに藤梅を抱きしめた。そして。 「コレからは、ちゃんと兄弟として扱うから許してね」 そう藤梅に告白するのだった。雷梅にするように軽く頬にキスを落として、僕は雪梅をみた。 「ねぇ、アンアンデートはもう止めて、普通のデートをしよう?」 僕の中にあるディルドを引き抜くと僕は性欲が削がれたという感じでそういうけど、雪梅はソレはソレで構わないよという。たぶん、僕の辛抱なしがああ長く持つとは思っていなかったんだろう。  

ともだちにシェアしよう!