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私自身の唾液で濡れた彼のペニスが後孔へ押し入ってくる。
「あ……っ」
ベッドに四つん這いとなった私は枕を抱き締めて徐々に拡張される痛みに耐える。
「うっわ、ちょっと力抜いて。俺の、食い千切られそう」
膝を突いた松本が陶然とした声で言う。
無理だ、嫌でも力が入る。
身の内を貫こうとする相当な質量に怯えて体が思わず前へと逃げる。
「こら、イイコにしてください」
腰を押さえられて固定され、また、若く雄々しい昂ぶりが内壁を押し拡げてさらに中へ。
「あ、ま、待って」
松本は私の哀願など無視して無謀に腰を進めてくる。
尻の肉を掴んで左右に広げ、抵抗を些か弱めると、根元までペニスを呑み込ませてきた。
痛い。苦しい。きつい。
内臓まで押し上げられているような圧迫感に呼吸さえままならなくなる。
「やだ、痛い、抜いてくれっ」
「じき慣れますって、ていうか、慣らしますから」
松本はそう言うと奥まで呑み込ませていたペニスをおもむろに引き抜いていく。
「うぁ」
今度は内臓が引き摺り出されるような感覚に内壁が戦慄いた。
カリ首の部分まで引き抜かれ、再び、焦らない腰つきで中へと押し戻されていく。
何度かそれを繰り返されている内に言い知れない感覚がじわじわと生じてきて、私は、焦燥した。
「っ……こんなの変になるっ」
ゆっくりとペニスを往復させていた松本は笑った。
「変になっちゃってください、久也 さん」
告げた覚えのない名前を呼ぶや否や、私の腰をぐっと引き寄せて、自分の股間に密着させる。
力む亀頭で最奥をゴリゴリと抉られて私は仰け反った。
「あぁっ」
「ほら、奥、掻き回してますよ……っ」
「あっあっやめ!」
「久也さんの中っ……すごく熱いし、狭……っ」
下腹部に両手を回して腰を打ちつけてくる。
先ほどのゆっくりとした動きが嘘のような荒々しい律動に声が止まらなくなった。
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