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言い知れなかった感覚は明確な快感へと変わった。
皮膚を火照らせて、萎えていた私自身を勃ち上がらせるまでに至った。
「バックでやってると動物の交尾みたいで興奮しません?」
カリ首が内壁に引っ掛かってはひっきりなしに前立腺を擦り上げる。
パンパンパン……
尻を打つ音に鼓膜が犯される。
私はシーツを握り締めてだらしなく唾液を、先走りを垂らし、身悶えた。
「でも、初めてだと……不安ですかね?」
そう言うなり松本はペニスを一息に引き抜いた。
「あ」
急な空虚感に襲われて崩れ落ちた私は、彼に仰向けにされて、無様な姿を曝す羽目に。
「久也さん」
とてもじゃないが今は松本を正視できない。
羞恥の余り、私は茂みに粘ついた糸を引くペニスを片手で覆って、もう片方の腕で顔を隠した。
「駄目ですってば」
が、松本は私の両手を非情にも引き剥がすとシーツに縫い止めて腰を沈めてきた。
「ああ……気持ちいー……」
体液でべとつくペニスはだらしなく開いていた私の深くまで埋まった。
「ひぁっ」
聞くに堪えない音色が薄明かりの中で響き渡る。
私はシーツに皺を刻んで身をくねらせ、松本の激しい動きに声を上げた。
「っ、早……ぃッ……こんなの、もぉ、無理……だ!」
ふと松本の動きがいくらか弱まった。
「エロすぎ、久也さん……可愛いなぁ」
上擦る息を掌で塞き止めて、涙目の私は、それに気がつく。
松本の手にいつの間に握られていたスマートフォンに。
「な……!」
「次の脅しの材料にするんで、動画、撮影しときますね」
「や、やめて……待って、いやだ……っ」
「ああもう、ジタバタしたら抜けちゃいますって」
「ぁっ」
片手で膝頭を掴んで奥を強めに刺激してくる。
顔を隠すのも忘れて私は喉を反らした。
「な、なんで、こんな……っひど……」
「だって、またセックスしたいんで。何回も何回も、ね」
ああ、でも。
松本はスマートフォンをベッドの隅に放り投げ、私の両足を肩に担いでより突きやすい体勢にすると、がむしゃらな腰つきで動き出した。
「俺も、もう無理、いきたい……っ」
「あっあっあっ」
「う……出ちゃい……そう」
「あっあっあっ!」
松本のペニスを奥深くまでくわえ込んでいた私の方が先に白く濁った精液を放つ。
彼は呻いて、彼もまた、射精した。
私の身の内へと。
「あ……!」
ぴたりと腰を重ねた彼は天井を仰いで一瞬息を止めた。
体内に溢れ出る異様な感覚に私のペニスもしぶとくはしたなく白濁を散らす。
「あ……う……」
「あー……中に出しちゃった……はは……もういっそ、全部出し切っちゃいますね」
完全に引き抜くのではなく、途中まで自身のペニスを最奥からずらし、深呼吸して。
彼は露出した部分を扱いた。
搾り出された精液が肉壁の狭間にビュクビュクと注がれる。
「あっいや……だ」
「こーんな、いっぱい……久也さんに出しちゃいました……」
久也さんもいっぱい出しましたね。
こんなにエロい久也さん、きっと、奥さんも知らないですよね?
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