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「妻もここに呼んだのか」 「えー? 何ですか?」 松本がドアを開いて肌寒い玄関前へと顔を覗かせた。 「妻もここに来たことがあるのか」 「いーえ。来てません。ていうか、しばらく会ってないし」 「そうか。確かに最近はよく家にいるようだ」 茶葉が見当たらない。 上の戸棚にあるのだろうか? 「所謂、韓流か? そのアイドルグループにはまっているみたいで」 ここにはない。 隣の、こっちの戸棚かな? 「私はそういうのに疎いから全くわからないのだが」 ここにもない。 ん、もしかして奥に仕舞ってあったりするのだろうか? 「彼女は昔からそういうのが好きでーー」 「奥さんにはもうメールしました?」 腕を伸ばして上の戸棚を探していた私は横を見た。 松本がやけに至近距離まで迫っている。 「連絡は済ませたが」 「そうですか」 私の真後ろに立つと背中にぴたりとくっついてくる。 「ていうか、奥さんの話はもういいです」 「茶葉がないんだが、一体どこに……」 ぐ、と尻の間に松本の股間が押し当てられて私の台詞は中途半端に途切れた。 ワイシャツの胸元に位置するボタンを二つ三つ素早く外しながら松本は悪戯っぽく耳元で囁く。 「お茶っぱは先週切れちゃいました」 シャツと肌の隙間に手を差し入れて、同時に、盛った動物のように恥ずかしげもなく自分の股間を私にグリグリグリ。 「予想以上に色っぽかったですよ。キッチンに立つ久也さん。腰のラインがエロくて素敵でした」 気づいてると思うけど、俺、もうガチガチです。 上擦った松本の声に私はゾクリとする。 いや、違う、断じて感じてなどいない!

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