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2-6
松本は慣れた風に体位を変えた。
私をシンクに座らせると足の間に割って入り、容赦なく突き上げてきた。
「俺……出したいな、久也さんにぶち込みたい……っ」
奥深くまで届く淫らな律動に私は恍惚となる。
無意識に松本の脇腹に両足を絡めて、自分からも摩擦を強めた。
松本はさらに前のめりとなって、眉根を寄せ、声を上げる。
「あ、だめ、俺、もぉ中、中出すよっ」
が、私は咄嗟に拒んだ。
「中は駄目だ!」
かろうじて残っていた理性が言葉になった。
一瞬、松本はしょ気た犬みたいな顔をした。
結果、射精寸前だった彼は私からペニスを引き抜くと、信じられないことに、私の顔に精液を。
「うっ」
白濁を顔に浴びせられた私は半ば呆然と流しの前で脱力した。
眼鏡のレンズにも飛び散っている。
後で念入りに拭かなければ。
「んぐ」
息の荒い松本は私の口腔にペニスの先を押し込んできた。
「はぁ……はぁ……久也さん」
舌の上に次から次に溢れ出る彼の精液。
口の中で力強く脈打つ肉塊。
彼と同じくまだ呼吸の落ち着いていない私は、仕方ないので、鼻腔で苦しげに息をしつつ白濁を飲み込んだ。
「ん、ん、ん」
苦い。
青臭い。
しかも止まらない。
だけど何故だか身をもって彼の絶頂を感じていると、そんなに不快ではなくて。
口で呼吸ができずにつらそうにしている私を見兼ねたのか。
松本は腰を引いた。
舌の先から濃厚な白濁の糸がぷらんと伝う。
まだ熱を失っていない彼のものを眼前にして私は耳まで紅潮した。
「発情期なのか、君は」
向かい側の、恐らく浴室に通じているドアに背中を寄りかからせて、松本は私の言葉に小さく笑う。
「俺、二週間、セックス断ちしてたんです」
「……たった二週間」
「久也さんとずっとシたかったんです」
「は?」
「だから」
シンクの前で座り込む私に彼は初めて言葉を濁した。
自分もフローリングに膝を突いて目線の高さを私に合わせると、思いも寄らない台詞を口にした。
「俺、今まで誰か一人に傾くなんて、一回もなくて」
「……」
「だからよくわからなくて」
そう言って、まだ自分自身の精液が纏わりつく私の唇にキスをしてきた。
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