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「おいしい、久也さん」
「あ、だめだ、そんな……汚い」
「いいえ、全然……クリームでほら……乳首も甘い」
「あ、いや……」
「前も後ろも、ね」
「あ、そんなとこ、ぁ、だめ」
「すごい、クリーム塗れ」
「あっあっあっ」
「甘くておいしい。ね、見て。中まで入っちゃいました」
「いや……だ……」
水音が聞こえる。
ケーキと久也を同時に思う存分味わい、いつの間にかソファで眠っていた松本は目を覚ました。
自分にかけられていたブランケットが音もなく滑り落ちる。
「久也さん?」
薄闇に浸されたリビングに彼の姿はない。
素っ裸で寝ていた松本はとりあえずボクサーパンツとジーンズを履いて部屋の中を見回した。
今、何時だろ。
ああ、三時か。
どれくらい寝てたのかな。
久也さんはどこだろ。
ああ、お風呂に入ってるんだ。
立ち上がった松本は裸足でぺたぺたとフローリングの床を進む。
覚醒しきれていない頭を軽く振りつつ、脱衣所へと到着した。
曇りガラスの向こうでぼんやりと見えるシルエット。
好奇心に促されるまま松本は細くバスルームの戸を開く。
出しっぱなしのシャワー。
立ち込める湯気。
湯気の狭間に久也はいた。
松本に背中を向けている彼は戸が開かれたことに全く気づいていない。
濡れたタイルに片手を突いて、もう片方の手は、正面から自分の股間に差し込まれていて。
松本のペニスに散々行き来されて緩くなっていた後孔に二本の指がめり込み、動いていて。
「ん」
太腿の内側をたらたらと流れ落ちるのは松本が久也の奥へと放った白濁であった。
「久也さん」
呼びかけた瞬間、ビクリと背中が震えた。
全身が隈なく濡れた久也は艶やかな肩越しに振り返る。
「久也さん、ごめんなさい」
言葉もなく立ち尽くしている久也に松本は笑いかけた。
すでに頭は覚醒していた。
ジーンズを履いたまま、バスルームの中へと足を進める。
「今日もいっぱい中に出しちゃったから手伝います」
シャワーを止めた松本は久也の背中にぴたりとくっついた。
埋まっていた久也の指を退かして、代わりに、自分の中指と人差し指を後孔へゆっくりと埋めていく。
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