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「んっ」 久也は抵抗しなかった。 タイルに両手を突き、素直に松本の指を受け入れている。 指に絡まる滑った感触に松本は小さく笑った。 「すごいね、久也さんの中、とろとろであったかい」 指を引き抜くと、とろみある白濁もつられて掻き出されて内腿を卑猥に濡らした。 ペニスの動きに似せて指を出し入れし、薬指も足して、精液を引っ掻き出す。 「あ……ん」 久也の腰がもどかしげに揺れた。 滑らかに光る首筋が色っぽくて堪らない。 歯列ではなく上下の唇で松本はそこに噛みついた。 「ンッ」 強めに吸い上げてキスマークを刻み、舌で熱い雫を舐め取る。 「勃起してる、久也さん」 「ぁッ」 「あれだけいったのに、ね」 後孔を巧みに刺激しながら正面に手を回し、力み始めたペニスを撫でる。 「まだイキ足りない?」 「あん……ぁ……は」 「やらしい体してるんだね、久也さんって」 裏筋を擽って棹を揉んでは鈴口をグリグリと弄る。 「ひぁ……あ……う」 「指じゃ足りないんじゃない? もっと大きいの、ほしくない? ね?」 三本の指を体内でばらばらに蠢かせてやると久也は涙目で松本を顧みた。 「ほし……い」 松本はごくりと生唾を飲んだ。 久也から強請られるのは初めてだ。 中に出していいと言われたことはあったが、セックス自体を求めるような言動に彼が自ら至ったことはなかった。 「俺の何がほしいの?」 迫り上げる動悸に呼吸が無意識に荒くなる。 「き……君の……」 伸びてきた手がデニム越しに股間を撫で上げる。 「あ、久也さん、触って、もっと」 そう言いながら、松本は我慢できずに久也の手首を掴むと強く自分を愛撫させた。 下手したらこのままいってしまいそうだ。 「俺のこれがほしいの?」 「ん、ほし……奥まで……」 私を貫いて…………。

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