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3-8
バスルームに反響する音と声。
タイルに両手を突いた久也の腰を掴み、松本は、前後に腰を振っては彼の最奥をペニスで執拗に掻き乱す。
睾丸が内腿にぶつかって全身に振動が伝わる。
汗と水滴によって滑りそうになる手で腰を掴み直し、引き寄せて小刻みなピストンを連続させる。
「ああっ、ん、奥まで、もっと」
「もっと? もっと強く? 早く?」
浴槽を覆う風呂蓋の上で久也をうつ伏せにし、その背に覆い被さり、パンパンと肌を打ち鳴らす。
「あぁぁあっ」
「いいよ、気持ちいい、久也さん、久也さん」
久也は堪えきれずに自身を扱いた。
濡れそぼつ先端を掌で擦って喘ぐ。
「ぁっ」
松本は久也の首筋に歯を立てた。
柔い皮膚に歯列を沈めて獣のように呻く。
がむしゃらに肉壁を突き上げ、擦りつけ、絶頂を目指す。
久也の手の上から彼のペニスを握って加減なしに扱き上げた。
「ぁ……っだめ……!」
久也の色めいた嗚咽を聞きながら絶頂の一瞬に意識を攫われる間際、ふと、松本は思った。
今、彼の奥さんが帰ってきたらいいのに。
獣じみたセックスを見られて、幻滅されて、別れたらいいのに。
そう、彼は思った。
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