85 / 130
12-5
「ばっ……」
馬鹿、と言い切る前に乳首をぐりぐり刺激されて久也の声はひゅっと引っ込んだ。
松本は両手の指先に自身の唾液を素早く纏わせた。
滑りを帯びた指の腹で二つの乳首を同時に卑猥に可愛がる。
親指と中指で挟み込み、突起の頂点に人差し指を何遍もぐりぐり擦りつける。
「あ……ん」
色めいた声がこぼれ落ちた。
内腿や下腹部が震え出す。
ペニスが少しずつ反応し始める。
「久也さん、乳首だけで感じてる?」
「そ、んなこと……っ」
「そんなことない? ホント?」
引っ張るように薄ピンク色の突起を抓り上げてみる。
「あぁっ」
「ほら、感じてる」
松本は久也を仰向けに床へ寝かせた。
散々いじられて充血し、痛いほど膨れ上がった胸の尖りを、滴る舌先で優しく慰めてやる。
ねっとりと舐り、乳輪ごとむしゃぶりついて、ぷっくりと勃起した突起を舌端でしごく。
「あぁ……待っ、ぁ、ぁっ……いや……」
久也は床の上で髪を乱して身を捩じらせた。
乳首を吸われながら、すでに硬くなりつつあるペニスを掌に捕われ、上下にゆっくり撫で擦られると、反射的に仰け反った。
「や……」
「久也さんのペニス、もう硬いよ……?」
「あっあっ」
「最近、すぐ濡れちゃうね……」
濡れやすい体になっちゃった?
「ほら」
自身が垂れ流す先走りで濡れた指を掲げられ、久也は、真っ赤になった。
目の前で松本がべろりとそれを舐めるのを目の当たりにすると、そっぽを向き、怒ったような表情に。
堪らない松本は座椅子を蹴っ飛ばしてスペースをつくると、久也の足を開かせ、直接それを口にした。
柔らかな口内にすっぽり包み込まれ、久也が腰を反らした、その時。
ピンポーン
チャイムが鳴り渡った。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!