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「お昼、どうしましょうか」 「うん」 「何か食べたいものあります?」 「作ってくれるのか?」 「いーえ、買ってきます」 座椅子に座る久也は後少しで正午に差し掛かる青空をレースカーテン越しに眺めた。 「ハンバーガー以外なら何でもいい」 外はポカポカしていて正に行楽日和だった。 海も山も川もサービスエリアもどこかしこも人でいっぱいだろう。 サンダルを引っ掛けた松本はルームウェアのポケットに財布を突っ込み、軽い足取りで近所のコンビニに入った。 さーてと、ハンバーガー以外という大雑把なご注文だったけど、久也さん、何がいいかな? 祝日出勤の働く女子達に紛れて松本はおにぎりコーナーを物色する。 いろんな種類がずらりと並ぶおにぎりを眺めていたらお腹が鳴った。 近くにいた他の客にクスクス笑われて松本は赤面する。 さっき頑張っちゃったもんな。 だって久也さん、ほんのちょこっと新聞勧誘に梃子摺っていた俺のこと待てずに、自分でヌこうとしちゃってさ。 あの人、いつの間にあんなエロくなったんだろう。 前と比べて乳首の感度も増してるし。 俺の顔見ながらフェラするようになったし、あれ、反則でしょ。 ……もしかして俺が久也さんを開発しちゃってる? だけどまぁ根本的なところは至って真面目だから。 きっと「あれ」嫌がるだろうなぁ……。

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