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12-14
全裸の松本の上に跨らされた久也は緩やかに突き上げられて天井を仰ぐ。
太腿を掴んで前後に揺さぶられる度に怒張したペニスが後孔の奥深くまで届き、カリ首があらぬところに引っ掛かる。
「っぁ、ん」
松本の腹に両手を突いた久也、その足を覆うガーターストッキングは伝線し、白い肌がところどころ零れるように外気に覗いていた。
揺らめく双丘を撫で回し、柔らかな尻たぶをぐっと掴んでみれば、甘い悲鳴を上げてさらにこれでもかと松本を締めつけてくる。
「……久也さん、すごいね……」
上体を起こした松本は両手で久也の背を支えると、大きく腰を揺り動かし、最奥目掛けて亀頭を荒々しく叩きつけた。
「あ……!」
久也が内腿を痙攣させてしがみついてくる。
肉の狭間を掻き乱すような荒々しいピストンを何度か反芻し、そこで、松本は一端動きを休めた。
亀頭から根元にかけて竿全体を埋めたまま、熱い肉壁の抱擁をじっくりと下肢で味わう。
「ん……動かない……のか?」
松本の頭を掻き抱いていた久也の腕の力が少し弱まった。
するりと両腕を解くと肩に掌を宛がい、はぁはぁと息を乱したまま、松本を覗き込んでくる。
「動いてほしい?」
「……フン」
尖らせた唇があまりにも可愛く、松本は、欲望に忠実にキスをした。
「久也さん、口、もっと開けて……?」
久也はぎこちないながらも言われた通り口を開いた。
斜めから塞ぐように覆って、舌同士を絡ませ合い、交互に微熱を啜る。
「ん……ふ……」
律動は止めたまま、膝上に乗っかる久也の正面に手を回し、火照る隆起をそっと握り込む。
「んんんっ」
濡れたペニスを上下に愛撫されて、久也は、松本の肩に爪を立てた。
松本はお返しに舌尖に軽く噛みついて、咀嚼した。
「ん~……っ」
些細な痛みも今は快感に変わる。
舌を捕らわれた久也は喉奥で嬌声を詰まらせ、薄目がちに松本を見つめてきた。
ああ、クるな、その目つき。
「ひぁっ」
静止していたはずの松本の腰がいきなり跳ね上がり、奥の奥まで質量の増した隆起で一瞬ずしんと貫かれて、久也の喉が反り返った。
「久也さんの、中で、俺のペニス……すごいことになってるよ?」
「……知ってる」
「久也さんのも、いったみたいに、すごい濡れてる……」
実際、午後、久也はまだ射精には至っていなかった。
溢れ出る止め処ないカウパーがそれだけ隆起を潤していて、べたつかせていて、しごけば音が鳴るほどだった。
「ほら、ぬるぬる……」
「……ん」
「きついでしょ、一回、いっちゃおうか?」
久也はこくんと頷いた。
乱れた前髪が眼鏡のレンズにはらりとかかる。
うっすら開かれた唇が掠れる吐息に彩られていて、何よりも、扇情的だった。
「あ、あ……っいい……っ」
放精を促す利き手のピストンに久也は首を窄め、松本は、ほぼ目の前に位置する胸に顔を寄せた。
薄ピンク色の突起の一つに思いきり吸いつく。
堪えきれずに滴る甘い声音が、鼓膜と、肉膜に包まれたペニスをもっと過敏にさせた。
「んっ、もうっ、出そ……っ」
松本の肩にまた爪が浅く突き刺さる。
絶妙な熱加減で蠢く粘膜に松本はぎっと奥歯を噛み締めた。
久也の先端部分を集中的に搾るように擦り上げる。
「あ、あ、あ……!」
その時、狂的に締めつけが増した。
しごいていた利き手がさらに白く濡れる。
松本をその身に深々とくわえ込んだまま、しごかれて、久也は達した。
「……いっちゃいましたね」
全身をひくつかせる久也は松本につい抱きついた。
鼻腔で呼吸し、乱れる息遣いを何とか整えようとする。
が、鈴口に溜まった白濁の泡を松本の親指にくちゅくちゅと掻き混ぜられて、また、息を荒げた。
「あ……だめ、だ……」
「だめじゃないですよ、もっと、いって?」
松本は再びベッドに背中を預けた。
先ほど、一気に増した締めつけをやり過ごし、硬度を保ったままのペニスで真下から勢いよく連続して突き始める。
「あっあぁっぁっあっ」
今度は激しい反復運動で後孔を余すことなく刺激されて、久也は、自身を支えきれずに崩れ落ちた。
仰臥する松本に縋りついて目眩のしそうな突き上げに耐える。
「……久也さん、いくよ?」
奥を深く絶え間なく突き続けたところで、松本は、低く呻くと。
そのまま久也の最奥で一思いに達した。
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