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我を忘れて溺れるのではなく、一つ一つ、その熱を感じて、肌に留めて。
彼と夜を渡りたい。
「……はぁ」
それぞれ、我が身を、自身のペースで追い上げる。
時に濡れた先端がぶつかる。
括れが擦れ合う度に背筋がぞくりとする。
「……ん」
唇を食むようにキスした。
互いに角度を変え、糸引く微熱で水音を奏でる。
「久也さん……」
溢れ出た先走りの雫が滴っていく。
指の輪で何度もいいところを執拗に刺激した。
「俺、もう……だめ」
早々と迫る射精感に松本は呻吟した。
虚空を過ぎる手首の速度が一段と上がる。
膨れ上がった亀頭を集中してしごく掌。
脈動し、怒張する竿をもう片方の手で同時にしごく。
「ん……っ」
不意に指の輪の中心から白濁した飛沫が放たれた。
自分の肌やペニスにまで松本の白濁が飛び散り、久也は、さらに背筋をぞくぞくさせる。
しつこく搾り出すように竿中間から先端にかけてしごき立てる。
「あ……!」
内腿を引き攣らせて久也も達した。
射精しても尚、緩やかに掌をスライドさせ、一気に濡れそぼってより多感となったペニスを貪欲に撫で擦る。
「はぁ……ぁ……っん」
喘いでいた久也の唇を松本は大胆に唇で塞いだ。
膝上で抱え直し、濡れたペニスの先端同士も口づけさせて、ひくつく余韻を共有する。
「……千紘君……」
久也はため息をつくのと同時に松本を呼号した。
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