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ベッドのない寝室。 布団一式が隅に置かれていて何となく物寂しい。 その上で松本は久也を抱きしめた。 曝け出された素肌に口づけの痕を好きなだけ散りばめた。 カーテンもまだとりつけられていない窓からはバルコニーが覗いている。 普段なら外を気にしそうな久也だが、松本との久し振りの触れ合いに警戒心は緩み、夢中になって。 瞬く間に再び下肢を火照らせた。 「あ……っ」 松本に両足を開かされただけで、まるで挿入されたような反応で全身を戦慄かせる。 「……まだいれてないよ、久也さん?」 松本が悪戯っぽくそう言うと、明かりを落とした寝室の中、久也は何も言わずに互いの下肢へ浮つく視線を落とした。 下腹部の狭間で我が身よりも反り返っている松本のペニスに吐息をこぼす。 「……すごい」 上擦った声で告げられた率直な感想が根元にずしりと響く。 一度射精して濡れた亀頭を柔らかな腹に押し当て、松本はぐりぐりしてみた。 皮膚に浅く沈めて粘液をぬるぬる擦りつけてみる。 「……ん……君の、硬い」 根元を固定し、肌伝いにペニス先を移動させていく。 ぬるぬるした雫が這った跡に連なっていく。 茂みを掻き分けて、内腿付近まで滑らせたところで。 松本は久也に覆いかぶさると囁きかけた。 「久也さん、自分でいれてみて?」 「……え」 「根元は握ってますから。先っぽ、いれて?」 久也は枕に預けていた頭をやや起こした。 おずおずと片手を伸ばして、自分の体に擦りつけられているペニスをそっと握る。 怒張する竿に五指を絡め、内腿に添えられていた先端の向きを変える。 自らさらに足を開く。 フィットする場所を探し、窪みに引っ掛かると、そのままぐっと押しつけるようにして。 濡れた先端を割り込ませるように、双丘の中心に、ぐぐぐっと……。 「ん……っ……」 後孔を抉じ開け、閉ざされた肉壁の中へ自ら招いた隆起、その熱に久也は片頬を引き攣らせた。 「ぁ……はぁ……」 「……先っぽ、はいったよ?」 「……ん」 「もっと奥までいれなきゃ」 「んん……む、り……」 「ああ、ほら……抜けちゃいますって」 繋がりが浅い段階で手を離した途端、松本が言った通り、肉の抵抗に追いやられて抜けてしまった。 ぶるんと、再び腹部に反り立った松本のペニス。 「ね、もういっかい、ね?」 松本に促されて久也は素直にもう一度挑戦する。 加減して握り締めたペニスの先を後孔に導く。 何度か向きを調整して、進行ルートを見つけると、ずずず……と呑み込ませていく。 「そう……もっと、奥」 「あ……あ……」 「せっかくいれたのに。また出ちゃうよ?」 「や……だめ……」 久也が嫌々と首を左右に振る。 すると松本は久也の手をとって結合部に運び、それから動き出した。 きゅうきゅう収縮する肉の締めつけに逆らって奥を目指す。 狭苦しい粘膜を傷つけないよう、ゆっくりと。 「あ……きて、る」 松本のペニスを呑み込んでいく過程が指先から直に伝わってきて、久也は、興奮した。 竿の途中まで沈めた松本はそこで一端進行を止めて。 緩々とピストンを始めた。 後孔を浅く行き来させれば、久也の人差し指と中指の間も同時に行き来する。 ペニスの表皮が指の溝を撫で擦る度に久也はぞくぞくした。 「出たり入ったりしてるの……わかるでしょ?」 色めいた双眸で頷いた久也に松本はキスした。 舌で舌を擽りながら、緩やかに、突く。 ペニスを包み込む粘膜の熱さに腰から下が溶けそうになる。 気持ちがいい。 自然と口元が緩んでしまい、キスがいつにもまして唾液塗れになる。 久也さん、窒息しちゃうかも……。 松本が絡めていた舌先を解いて顔を離そうとしたら。 するりと、久也の腕が。 「……やめないでくれ……」 久也は松本の裸の肩を抱きしめて、遠ざかりかけた唇を追い、キスを再開させた。 積極的な久也に松本の胸はこれでもかと高鳴った。 浅いピストンを徐々に深めていきながら唇ももっと深く交える。 薄闇の静けさに粘着質の音色が途切れることなく奏でられる。 「ん……ぁっ……ぁっ」 ペニスを根元まで捻じり入れ、頻りに肉奥を亀頭でなぞってやれば、久也はぎゅっと松本にしがみついた。 押し開かれた足は先程から振動を刻みっぱなしだ。 体位、変えるか。 挿入したままだと、久し振りの拡張で負担が増すかもしれないと思い、一度抜こうと決めた松本。 その兆しを敏感に感じ取った久也。 「っ……抜かないで?」

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